癌の免疫
30年以上前に免疫やアレルギーに関する製薬会社に勤めていましたが、その頃と比べるとこの分野はすごく進歩しました。
癌の免疫も非常に詳しいところまでわかってきましたが、逆に翻訳者にとっては難しくなった、訳しにくくなったと言えます。とてもじゃないけど、すべて理解するなんて無理です。
昔の抗癌薬の文書の翻訳なんて簡単でしたよ。有効性は医師の主観的判断に基づき著効・有効・無効などに分類して、生存率がどうのこうの書いて、副作用を列挙する程度でした。今みたいにいろいろな評価基準やガイドラインは(たぶん)なかったですからね。癌専門医じゃないんだから、そんなあまたの評価基準やガイドラインを勉強していたら、いつまでたっても翻訳仕事で稼げません。専門用語は専門家に任せればよし。医学翻訳者に求められるのは専門用語の前後をきっちりと英訳・和訳することです。イートモで特に準専門的な表現の充実に努めているのはそのためです。
最近の抗癌薬の文書を翻訳するときには、次のHPの内容くらいを頭に入れた上で訳していくということになると思います。
http://gan-mag.com/special/2510.html
その翻訳仕事が終わったら、忘れてしまいます。癌関連文書の翻訳だけをやっていくわけにもいかないですからね。以前にも書きましたが、専門的すぎる部分の翻訳にこだわりすぎて、他の部分の翻訳をおろそかにしないことが良いのかもしれません。
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