上位の翻訳者グループに入らないと!
Medical Translator NARITAは医薬系専門翻訳会社3社および総合型翻訳会社2社と付き合ってきました。周知の事実かもしれませんが、これまでの経験から、医学翻訳者は以下のように動いて、流れているような気がします。どのように立ち回ったらいいかの参考になるかもしれません。
先発メンバーだけで仕事が処理できている場合には、控えのメンバーに仕事が回ってくることはありません。
先発メンバーだけで処理しきれないほどの量の仕事を受注したとき、あるいは先発メンバーの信頼性が下がったとき(ケアレスミスや手抜き)、先発メンバーが製薬会社やCROまたは別の翻訳会社に移ったときなどには、控えのメンバーに仕事を依頼して処理する必要があります。控えのメンバーが良い結果を出せば、先発メンバーとの入れ替え、先発メンバーとしての補充となります。先発メンバーの信頼性が下がること(ケアレスミスや手抜き)や離脱はよくあることなので、翻訳会社は控えのメンバーの状態に常に気を配っています。控えのメンバーに入れば、先発メンバーに昇格するのは比較的容易です。控えのメンバーであっても十分な収入を確保することが可能ですから、特定の翻訳会社の先発メンバーにはならずに、翻訳会社の弱みを知った上で、自分に有利な条件を提示をしながら、あえて控えのメンバーとして行動する人も多いです。
たいていの場合、控えのメンバーまでで翻訳仕事が処理されます。逆に、このレベルまでに翻訳仕事が処理されないとまずいです。その下のレベルにいるトライアルに通ったばかりの人に、重要なクライアントからの大事な仕事が依頼されることはまずありません。実績のない人に仕事が依頼されるとすれば、翻訳会社の業務によほどの余裕ができたときや、控えのメンバーが手薄になったときでしょう。トライアルに通ってもなかなか仕事が依頼されないというのは、このような理由からです。特に控えのメンバーが手薄になったときに、トライアル合格者の名簿が開かれ、仕事が依頼され、実戦での審査ということになります。仕事が依頼されない時間が長くても、力を蓄えながらチャンスを待つしかありません。トライアル合格=仕事の依頼、ではないのです。プロ野球のドラフトで採用されても、一軍が手薄にならない限り一軍になれないのと同じです。
最近は医薬系のクラウドワーキングも増えてきたようです。料金と納期から判断すると、従来型の翻訳会社が取り扱わないタイプの仕事のようです(翻訳会社の最低受注料金よりも安いとか、納期が短すぎて翻訳者を確保できないとか、単発的な案件で業務上割に合わないとか)。ですから、クラウドワーキングでいくら翻訳仕事の経験を積んでも、従来型の翻訳会社が取り扱うメインの仕事については初心者ということになります。一応、医薬系のクラウドワーキングにも翻訳者の評価制度はあるようですが、その評価結果が通用するのは当該クラウドワーキングサイトの中に限られるでしょう。従来型の翻訳会社に翻訳者として応募するときに、医薬系のクラウドサイトでの自分の評価結果を経歴書に記入しても重要視されることはないと思います(一笑される?)。元々、医薬系のクラウドワーキングと従来型の翻訳会社が取り扱う文書のタイプが違うので、当然と言えば当然です。
不思議なことに、翻訳会社というは自分のトコが一番だと強く信じています。Medical Translator NARITAもどうしてなのかいまだにわかりません。他の従来型の翻訳会社で実績を積んでも、自分のトコで本当に役立つかどうかをトライアル並びに実戦トライアルで審査しないと気が済みません。レアなケースを除いて、高学歴だろうが、製薬会社での勤務経験があろうが、英語や翻訳の資格があろうが、自分のトコのトライアル並びに実戦トライアルで審査しないと気が済みません。プレッシャーを感じるかもしれませんが、翻訳者としてはどの仕事もトライアルだと思うくらいが緊張感を維持するのにちょうど良いのかもしれません。
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