医学翻訳の勉強
日本全国のイートモファンのみなさん、こんにちは。
Medical Translator NARITAです。
Medical Translator NARITAはそこらへんの甘々翻訳スクールでへなちょこテキストを勉強するだけでは稼げる医学翻訳者になれないと断言しており、先日、それに代わる1つの勉強のしかたをご紹介しました。
大変な努力がいります。医学翻訳で稼げるようになる、生活できるようになるのは甘くないよ。趣味・暇つぶし系の人は好きなようにどうぞ。
もう1つ医学翻訳の勉強をご紹介しましょう。
イートモサイトの「特徴」の項に以下のように記載しています。
めったに仕事依頼されない医薬系翻訳の指導者がよく勧めるNEJMのアブストラクトをやってもしょうがないのです。仕事に直結しないから。
ま、上記のうち翻訳しやすい「添付文書」を見てみましょうか。
例えばオプジーボの添付文書。
検索すれば簡単に見つかります。
Google検索すれば、このようにOptivoの英語版添付文書がたくさんみつかります。
これらの英語版添付文書を参照しながら、Google検索、ライフサイエンス辞書、イートモなどを使って実際にオプジーボの添付文書を読解し、訳出するトレーニングです。和訳と英訳の両方のトレーニングになります。あくまでもイートモは参考資料の1つです。万能ではありません。
特にこの英語版添付文書は利用価値が高いようです。
なお、副作用についてはご存じのようにMedDRAに準拠しますから、訳出不要です。機械翻訳化されるのは間違いなしです(すでになっているのかな?)。
添付文書のように定型的な文書には特に機械翻訳が導入されやすいと思います。
そこで、評判が良いと言われているみらいトランスレーターの実力のほどを試してみました。
上記のオプジーボ添付文書の一部をかけました。
イピリムマブ(遺伝子組換え)又はBRAF阻害剤を含む化学療法歴を有する根治切除不能なIII期/IV期又は再発の悪性黒色腫患者405例(本剤群272例、化学療法(ダカルバジン又はカルボプラチンとパクリタキセルとの併用)群133例)を対象に、化学療法を対照として本剤3mg/kgを2週間間隔で点滴静注したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である奏効率(RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定によるCR又はPR)について本剤が投与された最初の120例を解析対象集団として中間解析を行った結果、本剤群で31.7%(95%信頼区間:23.5〜40.8%、2014年3月10日データカットオフ)であった。なお、事前に奏効率の閾値は設定していなかった。もう一つの主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])について182例のイベント(死亡)数にて中間解析を行った結果、本剤群で15.47[12.39〜NE*3]ヵ月、化学療法群で13.67[11.50〜NE*3]ヵ月であり、本剤は化学療法に対し統計学的に有意な延長を示さなかった(ハザード比0.93[95%信頼区間:0.68〜1.26]、p=0.6299[層別log-rank検定]、2014年11月12日データカットオフ)。
「本剤」はオプジーボであることは明白なので、以下のようにプリエデットしました。
イピリムマブ(遺伝子組換え)又はBRAF阻害剤を含む化学療法歴を有する根治切除不能なIII期/IV期又は再発の悪性黒色腫患者405例(オプジーボ群272例、化学療法(ダカルバジン又はカルボプラチンとパクリタキセルとの併用)群133例)を対象に、化学療法を対照としてオプジーボ3mg/kgを2週間間隔で点滴静注したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である奏効率(RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定によるCR又はPR)についてオプジーボが投与された最初の120例を解析対象集団として中間解析を行った結果、オプジーボ群で31.7%(95%信頼区間:23.5〜40.8%、2014年3月10日データカットオフ)であった。なお、事前に奏効率の閾値は設定していなかった。もう一つの主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])について182例のイベント(死亡)数にて中間解析を行った結果、オプジーボ群で15.47[12.39〜NE*3]ヵ月、化学療法群で13.67[11.50〜NE*3]ヵ月であり、オプジーボは化学療法に対し統計学的に有意な延長を示さなかった(ハザード比0.93[95%信頼区間:0.68〜1.26]、p=0.6299[層別log-rank検定]、2014年11月12日データカットオフ)。
みらいトランスレーターに英訳させた結果は以下のとおり。赤字が修正を必要とする部分です。
405 patients (272 in the Opdivo group and 133 in the Chemotherapy (Combination of dacarbazine or carboplatin with paclitaxel) group) with previously unresectable stage III/IV or recurrent malignant melanoma who had received ipilimumab (genetic recombination) or BRAF inhibitor chemotherapy were studied for the efficacy and safety of intravenous infusion of Opdivo 3 mg/kg at 2 week intervals as a control of chemotherapy. The primary endpoint, response rate (Central CR or PR according to RECIST guideline 1.1), was 31.7% (95% confidence interval, 23.5 ~ 40.8%; data cutoff March 10, 2014) in the opdivo group in an interim analysis of the first 120 patients treated with the drug in the analysis set. The threshold for response rate was not established in advance. An interim analysis of the other primary endpoint, overall survival (Median [95% confidence interval]), with the number of events (death) in 182 patients showed that Opdivo was 15.47 [12.39 to NE * 3] months versus 13.67 (Hazard ratio 0.93 [95% confidence interval: 0.68 ~ 1.26], p = 0.6299 [stratified log-rank test]; November 12, 2014 data cut-off) months in the chemotherapy arm, and Opdivo did not show a statistically significant prolongation of chemotherapy [11.5 to NE * 3].
読み取りが全然ダメ。これほど読み取りができないとは意外でした。
これだけ読み取りが悪いと、専門用語や数字は利用できて多少の時短にはなるが、機械翻訳にかけるメリットはあまりないな。
医薬系の文書の中でも最も読解しやすい文書なのに、他の読解が困難な医薬系文書だったらどうなる?
まだまだ人間翻訳者の出番はありそうです。
正確に言うと、機械翻訳のエラーを瞬時に特定し、機械翻訳による訳文をできるだけ利用し、最短で納品可能な商品に仕上げられることができる翻訳者だけが必要とされる、ってこと。
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