« リンパ節の痛み | トップページ | 確定申告の準備 »

2020年2月 5日 (水)

並の医学翻訳者は不要になる

Medical Translator NARITAです。

 

久しぶりに医薬系和文原稿を機械に英訳させてみました。

http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/revision-of-precautions/0312.html

 

和文原稿 みらいトランスレーターによる英訳
本剤によるPML発症のリスク因子として、抗JCウイルス(JCV)抗体陽性、免疫抑制剤による治療歴あり、長期間の投与が認められている。これらすべての因子を有する患者、または免疫抑制剤による治療歴はないが、抗JCV抗体価が高く、かつ本剤の治療歴が長い患者においてPMLの発症リスクがより高いことが報告されている。リスクとベネフィットの考慮に際しては、最新の各リスク因子保有患者別のPML発症状況(適正使用ガイド等)を確認すること。 The risk factors for PML associated with this product are positive anti-JC virus (JCV) antibody, history of treatment with immunosuppressants, and long-term administration. The risk of PML has been reported to be higher in patients with all of these factors or in patients who have not been treated with immunosuppressants but have high anti-JCV antibody titers and a long history of treatment with this drug. In considering risks and benefits, the current incidence of PML (Proper use guide, etc.) in patients with each risk factor should be confirmed.

 

なかなか良い出来です。

医学翻訳者が10人いたら、そのうち7人は機械に負けています。

スピードと持久力を考慮したら、10人のうち8人は不要になるかも。

 

全般的に和訳よりも英訳に向いているのかな?

 

さすがに、

「リスクとベネフィットの考慮に際しては~」

の下線部のような変な日本語には対応できない様子です。

でも、

「リスクとベネフィットの評価では~」

とシンプルに書けば機械も迷わないでしょう。

 

さて、私がこの和文原稿を取り上げたのは「治療歴」の英訳のしかたを検討するためです。

 

免疫抑制剤による治療歴あり

history of treatment with immunosuppressants

 

免疫抑制剤による治療歴はない

have not been treated with immunosuppressants

 

本剤の治療歴が長い

a long history of treatment with this drug

 

上と下でhistoryを使った表現となっています。Goodだけど、そればっかりではダサい。

中では工夫した表現となっていてとてもGoodです。

 

ライフサイエンス辞書には、治療歴には以下のような英語しか載っていません。

Chiryoreki

 

他にめぼしい医学専門用語辞書・表現辞典はないので、みなさん、何を参照しながら英訳しているのだろうか?

 

イートモでは「治療歴」で検索すると、現時点で40件がヒットします。

全体のSnippingができないので、最初の部分だけ載せます。

Chiryoreki1

 

イートモをどのように利用したらいいか迷う方がいるようですが、何度も言っているように、実際に仕事依頼された文書あるいは仕事依頼される可能性の高い文書(翻訳会社に教えてもらって)を自分で調査しながら実際に訳してみることです。

例えば、前記の文書がそのような文書であったとすれば、専門用語・専門的な表現を一つ一つ根気よく調査していく。

ざっと見ただけで赤字の部分を調査する必要があるでしょう。

 

本剤によるPML発症リスク因子として、抗JCウイルス(JCV)抗体陽性免疫抑制剤による治療歴あり長期間の投与認められている。これらすべての因子を有する患者、または免疫抑制剤による治療歴はないが、抗JCV抗体価が高く、かつ本剤の治療歴が長い患者においてPMLの発症リスクがより高いことが報告されているリスクとベネフィットの考慮に際しては、最新の各リスク因子保有患者別のPML発症状況(適正使用ガイド等)を確認すること

 

Googleで検索して参考資料を取り入れて訳語を確定させるという作業がメインになると思いますが、なるべくイートモでも調べてください。

イートモで調べるだけでなく翻訳トレーニングモードで実際に訳出することをおすすめします。

例えば「治療歴」で検索すれば、上記のように対訳が40件出てきます。

翻訳トレーニングモードに切り替えれば実際に訳出するトレーニングができます。

翻訳トレーニングの途中でわからない用語や表現に出会ったら、再びイートモで検索して、またまた翻訳トレーニングモードで訳出の練習と、際限なく続く、まさに地獄の翻訳トレーニング

楽しくはないけど、これこそが実戦的なトレーニングです。

この作業を繰り返し一定期間以上行っていれば、気が付いたときにはトライアル合格レベルなんていつの間にか突破しているはずです。

 

人それぞれ自分に合った勉強法があるかもしれませんが、医学翻訳フリーランスで稼ぐことを目指すのでしたら、半端なやり方や自分に甘いやり方では絶対に失敗します。

機械翻訳の性能が上がっているので、並の医学翻訳者のままのんびりしていたら干上がります。

何度も言っていますが、イートモを使いこなせる医学翻訳スキルを身につけて機械を利用する側に入るしかありません。

従来型のジジババ医学翻訳者は変化についてこれないでしょうから、若手のみなさん、チャンスですよ!

 

 

« リンパ節の痛み | トップページ | 確定申告の準備 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« リンパ節の痛み | トップページ | 確定申告の準備 »

フォト

イートモ

  • 収録対訳件数
    9月26日現在:55,525件(イートモ7.1から2866件の増量) 医学翻訳の友 イートモ・トップ|なりた医学翻訳事務所

相互リンク

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想