« IpilimumabのCTD | トップページ | イートモユーザーリストからの削除依頼 »

2020年2月15日 (土)

治験文書の機械訳

Medical Translator NARITAです。

 

先日掲載したCTDから一部をピックアップし、機械による英訳をレビューしました。

http://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P20150722002/670605000_22700AMX00696000_K100_1.pdf

 

和文原稿を無修正で機械に英訳させましたが、なかなかの出来のようです。

治験関係の文書と翻訳機(英訳)は相性が良さそうです。

それでも修正を要する部分(赤字)は出てきます。

 

和文原稿 みらいトランスレーターによる英訳

2.1.1 CA184078 試験

 CA184078 試験は、未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象として Ipilimumab を単独投与又は化 学療法と併用投与する多施設共同、3 群、ランダム化、並行群間、オープンラベル、第 1 相試験 である【モジュール 5.3.4.2-3】。本試験では、Ipilimumab(10 mg/kg)のみ 3 週ごとに 4 回静脈内 投与(導入期)する群、Ipilimumab とカルボプラチン[血中濃度曲線下面積(以下、AUC) = 6 mg/mL•min]及びパクリタキセル(175 mg/m2 )を併用投与する群、IpilimumabとDTIC(850 mg/m2 ) を併用投与する群に、被験者を 1:1:1 の割合でランダムに割り付けした。化学療法の初回投与は Ipilimumab 投与日の 2 日前に実施したが、Ipilimumab と化学療法の薬物動態学的相互作用を評価 するため、その後は Ipilimumab と化学療法剤を同時に投与した。被験者は追加して 4 コースまで 化学療法を受けることが可能であり(Ipilimumab の併用なし)、その後、維持期に移行して Ipilimumab の単独投与を継続した。試験に登録された被験者 72 例のうち、59 例に治験薬が投与 された。48 週までの試験期間全体にわたる各時点及び試験中止後の追跡調査時に、PK、安全性 及び免疫原性を評価した。 Ipilimumab の PK パラメータを表 2.1.1-1 に要約した。化学療法との併用投与によって Ipilimumab の曝露量はやや減少したが、PK パラメータの平均値は全群にわたって同様であった。CL 及び定 常状態における分布容積(以下、Vss)の平均値も 3 群間で同様であった。CA184078 試験で観察 された PK パラメータは他の悪性黒色腫患者を対象とした臨床試験の NCA による PK 成績と一致 していた。本試験における併用薬の PK 成績及び薬物相互作用評価の結果を 2.4 項に、本試験の PK データを使った母集団薬物動態解析により薬物相互作用を検討した結果を 3.2.3.6 項に示す。

2.1.1CA 184078 test
CA 184078 is a multicenter, 3-arm, randomized, parallel, open-label, phase 1 trial of Ipilimumab alone or in combination with chemotherapy in patients with previously untreated advanced melanoma [Module 5.3.4.2 -3]. The study randomly assigned subjects to receive Ipilimumab (10 mg/kg) alone intravenously 4 times every 3 weeks (introduction period), Ipilimumab plus carboplatin [Area under the blood concentration curve (AUC) = 6 mg/mL • min] and paclitaxel (175 mg/m2), or Ipilimumab plus DTIC (850 mg/m2) at a rate of 1:1:1. The first dose of chemotherapy was given 2 days before the Ipilimumab day, after which Ipilimumab was given concurrently with chemotherapy to evaluate the pharmacokinetic interaction of Ipilimumab with chemotherapy. Subjects were able to receive up to 4 additional courses of chemotherapy (No concomitant use of Ipilimumab), followed by maintenance with Ipilimumab alone. Of the 72 subjects enrolled in the study, 59 received the study drug. PK, safety, and immunogenicity were assessed at each time point throughout the study period up to 48 weeks and at follow-up after discontinuation. Ipilimumab PK parameters are summarized in Table 2.1. 1 -1. Although Ipilimumab exposure was slightly reduced in combination with chemotherapy, mean PK parameters were similar across all groups. The mean values of CL and volume of distribution (Vss) at constant state were also similar among the 3 groups. The PK parameters observed in the CA 184078 study were consistent with the PK results by NCA from clinical studies in other melanoma patients. The results of the PK results and the evaluation of drug interactions of the concomitant drugs in this study are presented in Section 2.4, and the results of the analysis of drug interactions by population pharmacokinetic analysis using the PK data in this study are presented in Section 3.2.3.6.

 

以前にも行ったように、バックエデットと呼ばれる作業で修正しました。

http://i-honyaku.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-2a6e66.html

 

初回機械英訳を踏まえて和文原稿に修正を加えた部分が下線になっています。

ほぼ適切な英訳になっていますが、むしろ悪化している部分もあります。

初回機械英訳の出来がある程度良ければ、バックエデットせずに、ポストエデットで納品レベルに仕上げたほうが圧倒的に速いようです。

バックエデットは初回機械英訳の出来が悪いときには有効と思われます。

 

初回機械英訳を踏まえて修正した和文原稿 みらいトランスレーターによる英訳

2.1.1 CA184078 study

 CA184078 studyは、未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象として Ipilimumab を単独投与又は化 学療法と併用投与する多施設共同、3 群、ランダム化、parallel-group、オープンラベル、第 1 相試験 である【モジュール 5.3.4.2-3】。本試験では、被験者をIpilimumab(10 mg/kg)のみ 3 週ごとに 4 回静脈内 投与(導入期)する群、Ipilimumab とカルボプラチン[血中濃度曲線下面積(以下、AUC) = 6 mg/mL•min]及びパクリタキセル(175 mg/m2 )を併用投与する群、IpilimumabとDTIC(850 mg/m2 ) を併用投与する群に、 1:1:1 の比でランダムに割り付けした。化学療法の初回投与は Ipilimumab の投与開始日の 2 日前に実施したが、Ipilimumab と化学療法の薬物動態学的相互作用を評価 するため、その後は Ipilimumab と化学療法剤を同時に投与した。被験者は追加して 4 コースまで 化学療法を受けることが可能であり(Ipilimumab の併用なし)、その後、維持期に移行して Ipilimumab の単独投与を継続した。試験に登録された被験者 72 例のうち、59 例に治験薬が投与された。48 週までの試験期間全体にわたる各時点及び本試験の中止後の追跡調査時に、PK、安全性 及び免疫原性を評価した。 Ipilimumab の PK パラメータを表 2.1.1-1 に要約した。化学療法と併用投与したとき、Ipilimumab の曝露量はやや減少したが、PK パラメータの平均値は全群にわたって同様であった。CL 及びsteady stateにおける分布容積(以下、Vss)の平均値も 3 群間で同様であった。CA184078 試験で観察 された PK パラメータは他の悪性黒色腫患者を対象とした臨床試験の NCA によって得られたPK 成績と一致 していた。本試験における併用薬の PK 成績及びそれらの薬物相互作用評価の結果を 2.4 項に、本試験の PK データを使った母集団薬物動態解析により薬物相互作用を検討した結果を 3.2.3.6 項に示す。

2.1.1CA 184078 study

CA 184078 was a multicenter, 3-arm, randomized, parallel-group, open-label, phase 1 trial of Ipilimumab alone or in combination with chemotherapy in patients with previously untreated advanced melanoma [Module 5.3.4.2 -3]. In this study, subjects were randomly assigned to receive Ipilimumab (10 mg/kg) alone intravenously 4 times every 3 weeks (introduction period), Ipilimumab plus carboplatin [Area under the blood concentration curve (AUC) = 6 mg/mL • min] and paclitaxel (175 mg/m2), or Ipilimumab plus DTIC (850 mg/m2) at the 1:1:1 ratio. The first dose of chemotherapy was given 2 days before the start of Ipilimumab, but Ipilimumab and chemotherapy were given concurrently thereafter to evaluate the pharmacokinetic interaction of Ipilimumab with chemotherapy. Subjects were able to receive up to 4 additional courses of chemotherapy (No concomitant use of Ipilimumab), followed by maintenance with Ipilimumab alone. Of the 72 subjects enrolled in the study, 59 received the study drug. PK, safety, and immunogenicity were assessed at various time points throughout the study period up to 48 weeks and at follow-up after discontinuation of the study. Ipilimumab PK parameters are summarized in Table 2.1. 1 -1. When administered in combination with chemotherapy, Ipilimumab exposure was slightly reduced, but mean PK parameters were similar across all groups. The mean volume of distribution (Vss) in the CL and steady state was also similar among the 3 groups. The PK parameters observed in the CA 184078 study were consistent with the PK results obtained by NCA from other clinical trials in patients with malignant melanoma. The PK results of the concomitant drugs and the results of the evaluation of drug interactions in this study are presented in Section 2.4. The results of population pharmacokinetic analysis using the PK data in this study to investigate drug interactions are presented in Section 3.2.3.6.



翻訳機の性能はかなり進歩しています。

翻訳スピードは翻訳機が圧倒していますので、この点で競っても無駄です。

治験関係の文書は医学翻訳の中でも最もボリュームが大きく、最も稼げる分野です。

治験関係の文書の英訳をやらなければ資産は形成できません。

資産形成できなければ次のステージに移行できません。

次のステージに移行できないと60歳過ぎても奴隷のように翻訳仕事をしなくてはならない。

 

ま、それはともかく、治験分野は翻訳機が導入されやすい分野であるとも考えられます。

でも、今回のケースのように機械にかければ必ずエラーが出ます。

今後の医学翻訳者にはこのようなエラーを的確に見つけて、迅速に修正して、納品レベルに仕上げることが求められます。

翻訳機の性能が上がっているので、従来の医学翻訳者よりも高いスキル、翻訳機を凌ぐ技量が必要になります。

翻訳機のクセなどを知って道具のように利用し、最速で大量の翻訳を生産する能力が求められます。

 

「翻訳機が使えるかどうか」が議論になっているようですが、十分に仕事に役立つ道具になっています。翻訳機は医学翻訳の仕事に役立たないと思っている人がいるならば、それは翻訳機を利用するだけの医学翻訳の技量がないだけのことです。

 

仕上げる過程でイートモが効果を発揮するでしょう。

でも、他のゴミ混入翻訳メモリと混ぜないようにしてね

 

「翻訳機を使える技量のある医学翻訳者にはますます仕事が集中 → 収入アップ」

「翻訳機を使える技量のない医学翻訳者には仕事がまわってこない → 撤退」

の2つに分かれる。単純明快。

翻訳機を使える技量のある医学翻訳者しか生き残れないということです。

論文とかパンフレットを手作業で翻訳して月10~20万円の収入という仕事は残るかもしれませんが、それだったら医学翻訳ではない仕事の方が稼げるのではないかと思います。

その程度の収入のために医学翻訳という仕事に固執する意味が分かりません。

 

 

« IpilimumabのCTD | トップページ | イートモユーザーリストからの削除依頼 »

コメント

NARITA様

 投稿を読ませていただきました。
翻訳機(機械翻訳)を使う能力が求めれてくる、とのこと。
そのとおりだと思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« IpilimumabのCTD | トップページ | イートモユーザーリストからの削除依頼 »

フォト

イートモ

  • 収録対訳件数
    9月26日現在:55,525件(イートモ7.1から2866件の増量) 医学翻訳の友 イートモ・トップ|なりた医学翻訳事務所

相互リンク

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想