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2020年9月 5日 (土)

deeplの欠点

Medical Translator NARITAです。

 

前のブログ記事に記載したように、安全性データの集計が最重要と書きました。

つまり、医学翻訳でも安全性データをこの分野の情報交換に使われる用語・表現を使って正確に英訳・和訳することが大切になります。

間違っていなければいいというわけではありません。

医療従事者や研究者、申請資料審査官になじみの用語や表現を使う必要があります。

 

イートモの英文 deeplによる和訳
Three patients in the Japanese study had grade 3 adverse events classed to the system organ class (SOC) skin and subcutaneous tissue disorders (grade 3 acne in 2 patients, grade 3 skin reaction in 1 patient). 日本の試験では、3名の患者でグレード3の有害事象がシステム・オルガン・クラス(SOC)の皮膚・皮下組織障害に分類されていました(グレード3のにきび2名、グレード3の皮膚反応1名)。

 

赤字で示した部分から判断すると、deeplは有害事象関係、MedDRA関係が弱いんじゃないかと思うわけです。

acneを「にきび」と訳しているけど、MedDRAにはPTとして「にきび」と記載されているのだろうか?

といろいろ不信感がわいてきます。

「~に分類されていました」という訳も変だけど、機械翻訳だからまだ許せます。

 

イートモの英文 みらいトランスレータによる和訳
Three patients in the Japanese study had grade 3 adverse events classed to the system organ class (SOC) skin and subcutaneous tissue disorders (grade 3 acne in 2 patients, grade 3 skin reaction in 1 patient). 日本の研究における3名の患者は、システム臓器クラス (SOC) 皮膚及び皮下組織障害(グレード3のざ瘡2例、グレード3の皮膚反応1例)に分類されるグレード3の有害事象を有した。

 

みらいトランスレータも不出来だね。

両者ともこの分野の対訳コーパスが貧弱なのかな?

ま、grade 3 adverse events=grade 3 acne and grade 3 skin reaction

の意味が訳文に反映されているので、deeplよりもAIが機能している感じがします。

 

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