医学翻訳 実ジョブの作業手順
医学翻訳のプロは、医薬文書の英訳が依頼されたならば、一般に以下のような手順を踏むのではないでしょうか?
- 依頼された医薬文書のタイプや検討対象とされている薬剤について大まかな情報を入手します。これまでに依頼されたことのない文書のタイプや薬剤の場合には、できるだけ詳しく調べます。
- 依頼された医薬文書をざっと読んで、訳出の参考となる資料を集め、当該文書の理解を深めるとともに、訳出に利用できる英文をピックアップします。最近は、ソースクライアントや翻訳会社が参考資料を提供してくれます。
- 依頼された医薬文書を必要に応じてMTに訳させます。上記2で得た知識およびイートモ等からヒントを得て、Pre-editとPost-editを組み合わせながら、納品レベルに仕上げます。
上述したように、翻訳作業する上で最も重視すべきは「依頼された医薬文書」です。「依頼された医薬文書」に全集中する必要があります。
なお、医学翻訳のベテランでも、初めて扱うタイプの文書や薬剤については、上記の1~3、特に1と2で念入りに準備しています。医学書・翻訳参考書を読んだり、翻訳スクールテキスト・課題などを長期間勉強して、もしも基本というものができたとしても、実ジョブにはほぼ効果なしです。
医学翻訳の実ジョブは、基本ができていれば応用できるというものではありません。だから、医学翻訳のベテランでも、初めて扱うタイプの文書や薬剤は怖いのです。新規の案件に取り組むたびに、初歩から勉強・調査しなければなりません。これはベテランも初心者も同じです。ベテランの場合、これまでに蓄積されてきた経験がある分だけ有利なだけです。
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