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2022年10月28日 (金)

医薬トライアルのポイント 追記

昨日かな、医薬トライアルのポイント(ほんの一部)を書いたけど、これはそういったポイントを見ればトライアル受検者のレベルが簡単にわかるということです。

私のように30年以上も医学翻訳を専門に仕事してきて、トライアルの審査や他の翻訳者のチェックを無数にやっていると、数行見るだけで実力は判定できるのですが、先日のイートモ利用権杯トライアルでは、自分から提案した企画なので、余程のことがない限り、全体をチェックしました。

http://i-honyaku.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-0ac072.html

 

チェックしていて気づいたのですが、ほとんどの方、割り付けに関する部分と評価項目に関する部分の和訳が良くない。

 

割り付けに関する部分

Of these patients, 227 were randomly assigned in a 1:1:1:1 ratio to receive placebo or oral bardoxolone methyl at a dose of 25, 75, or 150 mg once daily for 52 weeks.

 

評価項目に関する部分

The primary outcome was the change from baseline in the estimated GFR with bardoxolone methyl, as compared with placebo, at 24 weeks; a secondary outcome was the change at 52 weeks. Exploratory outcomes included the cumulative distribution of the change in the estimated GFR from baseline to 52 weeks; the time to and percentage of patients with a reduction in the estimated GFR of 25% or more; the change in the estimated GFR 4 weeks after the last administration of the study drug; and the changes from baseline in the ACR and in levels of serum creatinine, blood urea nitrogen, serum phosphorus, uric acid, magnesium, potassium, bicarbonate, glycated hemoglobin, and intact parathyroid hormone with bardoxolone methyl, as compared with placebo, at 24 and 52 weeks.

 

割り付けに関する部分と評価項目に関する部分の和訳が良くないのには原因が2つあります。1つはこの治験を理解していないことで(これは致命的!)、もう1つが治験報告書における割り付けと評価項目に特徴的な記述に詳しくないことです。

翻訳スクールで治験実施計画書や治験報告書の課題を勉強しているかもしれませんが、1つや2つの文書を週1回、半年とか1年かけて勉強した量なんてあまりにも少なすぎて他の文書の翻訳に役立ちません。当然ですが、治験薬が違えば文書内容は変わりますし、著者が違えば書き方も変わる。

上記のトライアル課題とした文書程度のボリュームなら、1日1報を熟読し、類似の和文報告書も1日1報を読んで、英文と和文の対応を研究するとよい。そんなことを毎日2~3年ほど濃密に続ければ実力はつきます。逆にそれ位やらないと効果なし。英文と和文の対応がわかってくると、自然に和訳・英訳が出てきます。

稼げる医学翻訳者になるのは楽じゃないよ。翻訳教育ビジネスのカモにならないように、医学翻訳の勉強を続けるか撤退するか慎重に判断することをおすすめします。

 

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