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2022年11月25日 (金)

和文原稿のpre-edit事例【事例29】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例29】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

2.3.4 日内変動

14日目と13日目のデータの比較によって、100mgの用量パネルにおける日内変動を検討した。アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、幾何平均値の14日目(午前投与)に対する13日目(午後投与)の比の点推定値の90%信頼区間に1が含まれ、その点推定値はほぼ1であったことから、顕著な日内変動はないことが示された。しかし、Cminでは日内変動が確認され、午後投与時の方が午前投与時より高かった(表2.3.4-1)。


2.3.4 Within-day variation

Intra-day variability in the 100 mg dose panel was examined by comparing data from Day 14 and Day 13. The 90% confidence interval of the point estimate of the ratio of geometric mean AUC (TAU) and Cmax after 100 mg asunaprevir twice daily on Day 13 (afternoon administration) to Day 14 (morning administration) included 1, and the point estimate was approximately 1, indicating that there was no significant intra-day variability. The point estimate was almost 1, indicating that there was no significant diurnal variation. However, a diurnal variation was observed for Cmin, which was higher for the afternoon dose than for the morning dose (Table 2.3.4-1).

 

14日目と13日目のデータの比較によって、100mgの用量パネルにおける日内変動を検討した。

「14日目と13日目のデータ」と突然出てきても、その出処がわかりません。「100mgの用量パネルで得られた14日目と13日目のデータ」であることは明らかです。「日内変動」はdiurnal variationsと英訳しておきました。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
100mgの用量パネルにおいて14日目データと13日目データを比較し、diurnal variationsを検討した。 Diurnal variations were examined by comparing day 14 data with day 13 data in the 100 mg dose panel.

 

アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、幾何平均値の14日目(午前投与)に対する13日目(午後投与)の比の点推定値の90%信頼区間に1が含まれ、その点推定値はほぼ1であったことから、顕著な日内変動はないことが示された。

「アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、~」の「とも、~」のような曖昧な日本語はMTに乗りにくいので使わないようにしましょう。

また、「アスナプレビル100mg 1日2回投与後AUC(TAU)及びCmax両パラメータ」のように「の」が連続する和文はそのままではMTに乗らないと思ったほうがいいでしょう。

「アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、幾何平均値の14日目(午前投与)に対する13日目(午後投与)の比の点推定値」をpre-edit後の和文原稿に示すように、「~点推定値を求めた」で終わるワンセンテンスにします。次のセンテンスは「この点推定値の~」で始めます。このように「しりとり方式」で和文を読み取るのがコツです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビル100mg 12回投与後にAUC(TAU)及びCmaxを測定し、14日目(午前投与)の各薬物動態パラメータの幾何平均値に対する13日目(午後投与)の幾何平均値の比に関する点推定値を求めた。この点推定値の90%信頼区間は1を含んでいたこと、さらに点推定値はほぼ1であったことから、顕著なdiurnal variationsはないことが示された。 AUC (TAU) and Cmax were measured after a 100 mg twice daily dose of asunaprevir, and a point estimate was obtained for the ratio of the geometric mean of each pharmacokinetic parameter on day 14 (morning dose) to the geometric mean on day 13 (afternoon dose). The 90% confidence interval of this point estimate contained 1, and furthermore, the point estimate was approximately 1, indicating that marked diurnal variations were not present.

 

人気がないので、pre-edit事例はそろそろやめようか。

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