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2022年11月 6日 (日)

和文原稿のpre-edit事例【事例23】

【事例23】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

表現型/遺伝子型解析

 

ポピュレーション・シークエンス解析の結果、アスナプレビル200mg又は600mgを単回経口投与されたC型慢性肝炎被験者では、アスナプレビル耐性の原因とされる変異の増加は検出されなかった。

 

一方、遺伝子型解析により、既知のHCV NS3プロテアーゼ耐性変異が投与前から存在していたことが明らかになった。このうち、ジェノタイプ1b-NS3-E168がアスナプレビル600mgコホートのプラセボ投与例1例から主な変異として検出された。当該被験者から得られたNS3プロテアーゼのポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施したところ、アスナプレビル耐性変異が同定された。

 

既知のHCV NS3プロテアーゼ耐性変異が投与前から存在していたことから、アスナプレビルは単独投与ではなく、他の薬剤と併用投与すべきであることが考えられた。

 

アスナプレビルは消失半減期が長く(14.9621.57時間)、肝取込みが高いにもかかわらず、10600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められ、最高用量の600mgを投与した被験者でも同様であったことから、アスナプレビルの用法は12回が最適であると考えられた。

Phenotypic/genotypic analysis

 

Population sequencing analysis did not detect an increase in mutations that are known to cause asunaprevir resistance in chronic hepatitis C subjects who received a single oral dose of asunaprevir 200 mg or 600 mg.

 

On the other hand, genotyping revealed that known HCV NS3 protease resistance mutations were present prior to administration. Of these, genotype 1b-NS3-E168 was detected as the predominant mutation in one placebo-treated subject in the asunaprevir 600 mg cohort. Exploratory phenotypic analysis of the NS3 protease population sequence from that subject identified an asunaprevir-resistant mutation.

 

The presence of known HCV NS3 protease resistance mutations prior to administration suggested that asunaprevir should not be administered alone but in combination with other drugs.

 

Despite asunaprevir's long elimination half-life (14.96-21.57 hours) and high hepatic uptake, viral repopulation was observed in each subject by 24 hours after a single oral dose of 10-600 mg, and this was also true in subjects receiving the highest dose of 600 mg. The optimal dosage of asunaprevir was twice daily.

 

当該被験者から得られたNS3プロテアーゼのポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施したところ、アスナプレビル耐性変異が同定された。

「ポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施したところ、」については、「ポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施した」と一旦区切るとMTにとって理解しやすい。さらに、「ついては」はなるべく使わないほうがMTにとって理解しやすい。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
当該被験者から得られたNS3プロテアーゼのポピュレーション・シークエンス探索的な表現型解析に供した。この表現型解析により、アスナプレビル耐性変異が同定された。 Population sequences of NS3 protease obtained from the subject were subjected to exploratory phenotypic analysis. This phenotypic analysis identified asunaprevir-resistant mutations.

 

アスナプレビルは消失半減期が長く(14.9621.57時間)、肝取込みが高いにもかかわらず、10600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められ、最高用量の600mgを投与した被験者でも同様であったことから、アスナプレビルの用法は12回が最適であると考えられた。

センテンスが長すぎ、MTにとっても人間にとっても理解しにくい。情報を整理していきます。

1.アスナプレビルは消失半減期が長く(14.96~21.57時間)、肝取込みが高い。

2.(それに反して)10~600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められた。

3.最高用量の600mgを投与した被験者でも(同様の所見が認められた)。

4.(以上の所見から)アスナプレビルの用法は1日2回が最適であると考えられた。

上記のように、4つの情報に分けられます。これら4情報をMTに理解できるようにpre-editした結果が以下の通りです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビルは消失半減期が長く(14.9621.57時間)、肝取込みが高いことが知られている。しかし、アスナプレビル10600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められた。同様の現象が最高用量の600mgが投与された被験者でも認められた。これらの所見から、アスナプレビルの至適投与頻度は12回であると考えられた。 Asunaprevir is known to have a long elimination half-life (14.96-21.57 hours) and high hepatic uptake. However, viral repopulation was observed in each subject by 24 hours after a single oral dose of 10 to 600 mg of asunaprevir. A similar phenomenon was observed in subjects receiving the highest dose of 600 mg. Based on these findings, the optimal frequency of asunaprevir administration was twice daily.

多少のpre-editするだけで良好な英文になります。あとは微調整して納品するだけです。

pre-editはMTが登場して生まれた概念のように思っている人もいるかもしれないけど、メディカル英訳者が、元々、和文原稿が英文になりやすいように脳内で読み替えてきたことと同じです。

 

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