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2022年11月20日 (日)

和文原稿のpre-edit事例【事例27】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例27】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

2.3.3 累積係数

10~600mgの用量パネルでは、アスナプレビルのAUC(TAU)及びCmaxの累積係数に関して、すべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。10200mgの用量パネルでは、アスナプレビルのCminの累積係数に関して、すべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。これら3つの薬物動態パラメータすべてに関して、アスナプレビルの用量が100mg 12回を上回ると累積係数の推定値は減少すると考えられた。400mg及び600mg 12回の用量パネルでは、14日目のアスナプレビルのCmin値は1日目よりも低かったが、90%信頼上限はほぼ1であった(表2.3.3-1)。


2.3.3 Cumulative Coefficients

In the 10-600 mg dose panel, all point estimates and 90% confidence intervals for the cumulative coefficient of asunaprevir AUC (TAU) and Cmax were greater than 1. intervals were greater than 1 for the cumulative coefficient of Cmin for asunaprevir. For all three pharmacokinetic parameters, the cumulative coefficient estimates appeared to decrease as the asunaprevir dose increased above 100 mg twice daily. in the 400 mg and 600 mg twice daily dose panels, the Cmin value for asunaprevir on day 14 was lower than on day 1, but the 90% CI was nearly 1 (see Table 1). upper limit was almost 1 (Table 2.3.3-1).

 

 

右の英文をpost-editで納品レベルに仕上げるのは無理だぜ。

MTPEとやらではこんなことさせられているか、可哀そうに。

 

10200mgの用量パネルでは、アスナプレビルのCminの累積係数に関して、すべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。

「AAAに関して、BBB」の記述は、AAAとBBBの関係が不明瞭になるので、できるだけ使わないようにしましょう。DeepLは混乱して"intervals were greater than 1 for the cumulative coefficient of Cmin for asunaprevir."と滅茶苦茶になっているでしょ。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
10~200mgの用量パネルでは、アスナプレビルのCminの累積係数に関するすべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。 In the 10-200 mg dose panel, all point estimates and 90% confidence intervals for the cumulative coefficient of Cmin for asunaprevir were above 1.

 

これら3つの薬物動態パラメータすべてに関して、アスナプレビルの用量が100mg 12回を上回ると累積係数の推定値は減少すると考えられた。

ほら、ここでも「AAAに関して、BBB」を使っているから、DeepLが混乱しています。

このセンテンスの幹は「これら3つの薬物動態パラメータそれぞれの累積係数の推定値は減少すると考えられた」です。「推定値が減少する」ときの条件が「アスナプレビルを100mg超で1日2回投与したとき」です。結合すると、「アスナプレビルを100mg超で1日2回投与したとき、これら3つの薬物動態パラメータそれぞれの累積係数の推定値は減少すると考えられた」となります。和文原稿からなるべく解離しない記述にpre-editしました。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
これら3つの薬物動態パラメータの各累積係数に関する推定値は、アスナプレビルを100mg超の用量で1日2回投与した場合、減少すると考えられた。 Estimates for the cumulative coefficients for each of these three pharmacokinetic parameters were expected to decrease when asunaprevir was administered twice daily at doses greater than 100 mg.

 

400mg及び600mg 12回の用量パネルでは、14日目のアスナプレビルのCmin値は1日目よりも低かったが、90%信頼上限はほぼ1であった(表2.3.3-1)。

「90%信頼上限」は「90%信頼区間の上限」のタイプエラーでしょう。でも、こんな単純なタイプエラーでもMTは大きく混乱するようです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
400mg及び600mg 12回の用量パネルにおいて14日目のアスナプレビルのCmin値は1日目よりも低かったが、90%信頼区間の上限はほぼ1であった(表2.3.3-1)。 In the 400 mg and 600 mg twice daily dose panels, the Cmin value for asunaprevir on day 14 was lower than on day 1, but the upper limit of the 90% confidence interval was almost 1 (Table 2.3.3-1).

 

以上のように、和文原稿を少しpre-editするだけでMTによる英訳は格段に良くなります。

 

現在のところ、

・医薬の和文原稿を解読する力は人間のほうが優れている。

・和文原稿の記述が整っていれば、MTは圧倒的に速いスピードで適切な英訳を出してくれる。

つまり、医薬の和文原稿をpre-editする能力のあるメディカル英訳者がMTを利用したら、訳文の大量生産ができる。

 

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