和文原稿のpre-edit事例
[和文原稿]
また,150mg/kg及び50 mg/kg t.i.dでは,いずれも忍容性が認められず,全例を投与3から5週にかけて切迫剖検した.
上記の和文をMTに英訳させてみます。
Neither the 150 mg/kg nor the 50 mg/kg t.i.d. dose was well tolerated, and all patients were subjected to impending necropsy between 3 and 5 weeks of treatment.
先ほどはべた褒めしましたが、今回はメタメタです。
MTによるメディカル英訳の精度は和文原稿次第ということです。
各部を見てみます。
また,150mg/kg及び50 mg/kg t.i.dでは,いずれも忍容性が認められず,全例を投与3から5週にかけて切迫剖検した.
「忍容性」の主語に当たるのは被験物質(本剤)です。イートモで勉強するように。
また、「150mg/kg及び50 mg/kg t.i.dでは」については、先行する部分に「150 mg/kg 群では,25 mg/kg を1日1 回,2 週間反復強制経口投与後,150 mg/kg を1 日1 回,2 週間反復強制経口投与し,50mg/kg t.i.d 群では,50 mg/kg を1 日3 回,25 日間反復強制経口投与した.」と記述されています。そこで、「150mg/kgが1日1回投与された動物又は50 mg/kgが1日3回投与された動物は」と補足します。その結果、以下の和文になります。
また,150mg/kgが1日1回投与された動物又は50 mg/kgが1日3回投与された動物は本剤に忍容性がなく、全例を投与3から5週にかけて切迫剖検した.
「全例」というのは「150mg/kgが1日1回投与された動物又は50 mg/kgが1日3回投与された動物」のことですから、ヒトと間違えられないように、「そのすべての動物」と修正します。また、MTには「切迫剖検」の英訳が含まれていないようなので、この部分だけイートモで調べて事前に英訳しておきます。世話が焼けるのう。
その結果、以下の和文になりました。
また,150mg/kgが1日1回投与された動物又は50 mg/kgが1日3回投与された動物は本剤に忍容性がなく、そのすべての動物を投与3から5週にかけてnecropsied in extremisした.
上記の和文をMTに再度英訳させてみました。
Animals receiving 150 mg/kg once daily or 50 mg/kg three times daily did not tolerate the drug, and all of them were necropsied in extremis from 3 to 5 weeks of treatment.
なかなか良好な英訳になりました。
試しに、本剤が主語になるように和文をpre-editしてみます。
また,本剤には150mg/kgが1日1回投与された動物又は50 mg/kgが1日3回投与された動物において忍容性がなく、そのすべての動物を投与3から5週にかけてnecropsied in extremisした.
上記の和文をMTに英訳させてみます。
The drug was not tolerated in animals receiving 150 mg/kg once daily or 50 mg/kg three times daily, and all of these animals were necropsied in extremis from 3 to 5 weeks of treatment.
モアベターですね。
なお、以前にも書きましたが、実際には、pre-editと言っても、英訳を事前に想定して、想定した英訳になるように和文原稿を修正しているのです。的確にpre-editすればかなり精度の高い英訳をアウトプットしてくれます。自分が英文入力する時間を大幅に短くすることができるし、MTからもヒントをもらえます。MTがわからない部分はイートモを活用しましょう。
pre-editスキルの習得のため、イートモ等を利用して和文と英文のペアを大量に脳内にインプットしましょう。このpre-editスキルが習得できれば高速でメディカル英訳を行うことができます。英文原稿を解読しなければならない和訳よりもはるかに容易ですし、収入も倍増します。
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