「臨床経験」
「妊娠中のアスナプレビル投与の臨床経験は限られており、授乳中のアスナプレビル投与の臨床経験はない。」
のような文における「臨床経験」は簡単そうで解釈が難しい。
「臨床経験」そのものの意味は「医師等の臨床での実務経験」ですから、上記の文を当てはめると、
「妊娠中の医師等にはアスナプレビル投与の臨床経験が限られており、授乳中の医師等にもアスナプレビル投与の臨床経験はない。」
とヘンテコな文になってしまいます。
最初の文で「臨床経験」とあっても、「医師等の臨床での実務経験」ではなく、読者が文脈から判断して「使用経験」と読み替える必要があります。
医薬の分野では上司・先輩が使う用語・表現を、適切な使い方ではないにも関わらず、踏襲して使うことが多くあります。
だから、間違った使い方がいつまでも是正されないことがよくあります。
また、最初の文のように「の」が連続すると、文章がゆがんだ感じがします。
メディカルライターには「の」を正確に使用するか、連続使用を避けるようにしてもらいたいものです。
「の」の連続使用も医薬分野の翻訳・ライティングへの参入を阻んでいます。
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