和文原稿のpre-edit事例

2022年11月29日 (火)

和文原稿のpre-edit事例【事例30】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例30】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

2.4 ジェノタイプ1C型慢性肝炎患者を対象としたアスナプレビルの抗ウイルス活性、安全性、忍容性及び薬物動態を評価する二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験[AI447004試験(CTD 5.3.3.2.2)]

 

AI447004試験は、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験であった。ジェノタイプ1C型慢性肝炎患者を対象として、アスナプレビルの3用量(200600mg 12回を3日間空腹時経口投与)を評価した。各用量パネルは被験者5例(実薬4例及びプラセボ1例)とした。本試験の対象集団は、年齢1860歳、BMI 1835kg/m²のジェノタイプ1C型慢性肝炎患者である男女のうち、以下の事項に該当する患者とした。

- スクリーニング時のHCV RNAウイルス量が10 IU/mL100,000 IU/mL)以上の未治療例、かつHCV抗体陽性又はスクリーニング前の6ヵ月以上にわたってHCV RNA検査が陽性であった患者

- 別のNS3プロテアーゼ阻害薬の治療歴がない患者

- スクリーニング時にFibrotestスコアが0.72以下かつAPRI2以下であることが確認されているか、又は1日目の投与前12ヵ月以内に肝生検で肝硬変がないことが確認されている患者

- HIV又はHBVに重複感染していない患者

- 既往歴、身体所見、12誘導心電図及びC型肝炎に関連する臨床検査の評価に基づき、治験責任医師により組み入れ基準を満たすと判断された患者

2.4 Double-blind, placebo-controlled, repeated-dose study evaluating the antiviral activity, safety, tolerability, and pharmacokinetics of asunaprevir in patients with chronic genotype 1 hepatitis C [Study AI447004 (CTD 5.3.3.2.2)].

 

Study AI447004 was a double-blind, placebo-controlled, repeated-dose study. Three doses of asunaprevir (200-600 mg twice daily for 3 days orally under fasting) were evaluated in patients with genotype 1 chronic hepatitis C. Each dose panel consisted of 5 subjects (4 actual and 1 placebo). The study population consisted of men and women with chronic hepatitis C of genotype 1, aged 18-60 years, BMI 18-35 kg/m², with the following

- Untreated patients with HCV RNA viral load of 10⁵ IU/mL (100,000 IU/mL) or higher at screening and positive HCV antibody or positive HCV RNA test for at least 6 months prior to screening

- Patients not previously treated with another NS3 protease inhibitor

- Patients with a confirmed Fibrotest score of 0.72 or less and APRI of 2 or less at screening or liver biopsy confirmed free of cirrhosis within 12 months prior to Day 1 administration

- Patients who are not infected with HIV or HBV

- Patients who are judged by the investigator to meet inclusion criteria based on evaluation of medical history, physical examination, 12-lead ECG, and laboratory tests related to hepatitis C

 

ジェノタイプ1C型慢性肝炎患者を対象として、アスナプレビルの3用量(200600mg 12回を3日間空腹時経口投与)を評価した。

「アスナプレビルの3用量を評価した」とあるけど、用量を評価したのではなく、項目名にあるように、「アスナプレビルの抗ウイルス活性、安全性、忍容性及び薬物動態を評価した」のです。既に項目名に評価項目が記載されていますので、このセンテンスは、下記のように、「アスナプレビルの3用量を投与した」とpre-editしました。

また、「(200~600mg 1日2回を3日間空腹時経口投与)」についても、MTに乗りやすいようにpre-editします。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
ジェノタイプ1C型慢性肝炎患者を本試験の対象とし、アスナプレビルの3用量を投与した200600mg12回、3日間空腹時経口投与)。 Patients with genotype 1 chronic hepatitis C were included in the study and received three doses of asunaprevir (200-600 mg orally twice daily for 3 days on an empty stomach).

 

各用量パネルは被験者5例(実薬4例及びプラセボ1例)とした。

「(実薬4例及びプラセボ1例) 」は、MTには理解できないようです。以下のように、MTにも人間にも理解しやすいようにpre-editします。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
各用量パネルは被験者5とした4には実薬を投与し、1にはプラセボを投与した)。 Each dose panel consisted of five subjects (four received the actual drug and one received placebo).

 

●本試験の対象集団は、年齢1860歳、BMI 1835kg/m²のジェノタイプ1C型慢性肝炎患者である男女のうち、以下の事項に該当する患者とした。

「以下の事項に該当する患者とした。」がMTにはうまく英訳できません。この文脈において「以下の事項」よりも「以下の基準」のほうが適切ですので、そのようにpre-editしたところ、うまくいきました。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
本試験の対象集団は、年齢1860歳、BMI 1835kg/m²のジェノタイプ1C型慢性肝炎患者である男女とし、以下の基準に適合していることとした The study population was defined as men and women with chronic hepatitis C of genotype 1, aged 18-60 years, BMI 18-35 kg/m², who met the following criteria

 

●スクリーニング時にFibrotestスコアが0.72以下かつAPRI2以下であることが確認されているか、又は1日目の投与前12ヵ月以内に肝生検で肝硬変がないことが確認されている患者

わざわざ「確認されている」と記述する必要のないセンテンスです。「確認されている」という不要な情報を入れることにより、MTが混乱しています。「Fibrotestスコアが0.72以下かつAPRIが2以下であった」または「肝硬変がなかった」のいずれかの基準を満たしている患者であることがわかれば十分です。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
- スクリーニング時にFibrotestスコアが0.72以下かつAPRI2以下であったか、1日目の投与前12ヵ月以内肝生検により肝硬変が認められなかった患者 - Patients with a Fibrotest score of 0.72 or less and an APRI of 2 or less at screening or no liver cirrhosis on liver biopsy within 12 months prior to Day 1 administration

 

2022年11月25日 (金)

和文原稿のpre-edit事例【事例29】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例29】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

2.3.4 日内変動

14日目と13日目のデータの比較によって、100mgの用量パネルにおける日内変動を検討した。アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、幾何平均値の14日目(午前投与)に対する13日目(午後投与)の比の点推定値の90%信頼区間に1が含まれ、その点推定値はほぼ1であったことから、顕著な日内変動はないことが示された。しかし、Cminでは日内変動が確認され、午後投与時の方が午前投与時より高かった(表2.3.4-1)。


2.3.4 Within-day variation

Intra-day variability in the 100 mg dose panel was examined by comparing data from Day 14 and Day 13. The 90% confidence interval of the point estimate of the ratio of geometric mean AUC (TAU) and Cmax after 100 mg asunaprevir twice daily on Day 13 (afternoon administration) to Day 14 (morning administration) included 1, and the point estimate was approximately 1, indicating that there was no significant intra-day variability. The point estimate was almost 1, indicating that there was no significant diurnal variation. However, a diurnal variation was observed for Cmin, which was higher for the afternoon dose than for the morning dose (Table 2.3.4-1).

 

14日目と13日目のデータの比較によって、100mgの用量パネルにおける日内変動を検討した。

「14日目と13日目のデータ」と突然出てきても、その出処がわかりません。「100mgの用量パネルで得られた14日目と13日目のデータ」であることは明らかです。「日内変動」はdiurnal variationsと英訳しておきました。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
100mgの用量パネルにおいて14日目データと13日目データを比較し、diurnal variationsを検討した。 Diurnal variations were examined by comparing day 14 data with day 13 data in the 100 mg dose panel.

 

アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、幾何平均値の14日目(午前投与)に対する13日目(午後投与)の比の点推定値の90%信頼区間に1が含まれ、その点推定値はほぼ1であったことから、顕著な日内変動はないことが示された。

「アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、~」の「とも、~」のような曖昧な日本語はMTに乗りにくいので使わないようにしましょう。

また、「アスナプレビル100mg 1日2回投与後AUC(TAU)及びCmax両パラメータ」のように「の」が連続する和文はそのままではMTに乗らないと思ったほうがいいでしょう。

「アスナプレビル100mg 1日2回投与後のAUC(TAU)及びCmaxの両パラメータとも、幾何平均値の14日目(午前投与)に対する13日目(午後投与)の比の点推定値」をpre-edit後の和文原稿に示すように、「~点推定値を求めた」で終わるワンセンテンスにします。次のセンテンスは「この点推定値の~」で始めます。このように「しりとり方式」で和文を読み取るのがコツです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビル100mg 12回投与後にAUC(TAU)及びCmaxを測定し、14日目(午前投与)の各薬物動態パラメータの幾何平均値に対する13日目(午後投与)の幾何平均値の比に関する点推定値を求めた。この点推定値の90%信頼区間は1を含んでいたこと、さらに点推定値はほぼ1であったことから、顕著なdiurnal variationsはないことが示された。 AUC (TAU) and Cmax were measured after a 100 mg twice daily dose of asunaprevir, and a point estimate was obtained for the ratio of the geometric mean of each pharmacokinetic parameter on day 14 (morning dose) to the geometric mean on day 13 (afternoon dose). The 90% confidence interval of this point estimate contained 1, and furthermore, the point estimate was approximately 1, indicating that marked diurnal variations were not present.

 

人気がないので、pre-edit事例はそろそろやめようか。

2022年11月22日 (火)

和文原稿のpre-edit事例【事例28】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例28】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

アスナプレビルの様に、水への溶解度が低い薬剤では、用量が増加しても薬物動態パラメータの増加比は用量比を下回る場合がある。しかし、累積係数のデータと用量-曝露関係の双方とも、検討した用量範囲にわたってアスナプレビルのCmax及びAUC(TAU)の増加比は用量比を上回ることを示した。また、200mg以上の用量を1日2回投与したときの投与前トラフ値は、2日目に最大値を示してその後減少したため、代謝酵素の自己誘導が生じていることが示唆された。Cmin/C12におけるこの傾向は、用量を増加するとより顕著になると考えられた。さらに、400mg及び600mgの用量パネルでは、すべての薬物動態パラメータのうちCmin/C12の累積係数が最も小さく(累積係数は1と同程度又はやや小さい)、自己誘導が生じていることが示唆された。


For drugs with low aqueous solubility, such as asunaprevir, the increase ratios of pharmacokinetic parameters may be less than the dose ratios even with increasing doses. However, both cumulative coefficient data and dose-exposure relationships showed that the increase ratios of Cmax and AUC(TAU) for asunaprevir were greater than the dose ratios over the dose range studied. Pre-dose trough values at doses of 200 mg or higher twice daily showed a maximum on day 2 and then decreased, suggesting that auto-induction of metabolic enzymes occurred; this trend in Cmin/C12 appeared to be more pronounced with increasing doses; the dose-ratio of asunaprevir was higher at the 400 mg dose than at the 600 mg dose; and the dose-ratio of asunaprevir was higher at the 600 mg dose than at the 400 mg dose. Furthermore, the 400 mg and 600 mg dose panels had the lowest cumulative coefficients for Cmin/C12 of all pharmacokinetic parameters (cumulative coefficients were similar to or slightly less than 1), suggesting that autoinduction was occurring.

 

アスナプレビルの様に、水への溶解度が低い薬剤では、用量が増加しても薬物動態パラメータの増加比は用量比を下回る場合がある。

「用量が増加しても」と書かれたら、MTは"even with increasing doses"と英訳せざるを得ないでしょう。「用量の増加に伴う薬物動態パラメータの増加比」、あるいは「増量に伴う薬物動態パラメータの増加比」とpre-editすべきでしょう。

MTには「増加比」に関する訳出データはないようですので、pre-editで英訳しておきます。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビルの様に、水への溶解度が低い薬剤では、用量の増加に伴う薬物動態パラメータのratio of increaseは用量比を下回る場合がある。 For drugs with low aqueous solubility, such as asunaprevir, the ratio of increase in pharmacokinetic parameters with increasing dose may be less than the dose ratio.

 

しかし、累積係数のデータと用量-曝露関係の双方とも、検討した用量範囲にわたってアスナプレビルのCmax及びAUC(TAU)の増加比は用量比を上回ることを示した。

先行するセンテンス「アスナプレビルの様に、水への溶解度が低い薬剤では、用量が増加しても薬物動態パラメータの増加比は用量比を下回る場合がある。」は一般的な情報であるのに対して、「しかし、累積係数のデータと用量-曝露関係の双方とも、検討した用量範囲にわたってアスナプレビルのCmax及びAUC(TAU)の増加比は用量比を上回ることを示した。」は今回の試験でわかったことです。そこで、「本試験では」と補足しておきます。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
しかし、本試験では累積係数のデータと用量-曝露関係の双方とも、検討した用量範囲にわたってアスナプレビルのCmax及びAUC(TAU)ratio of increaseは用量比を上回ることを示した。 Estimates for the cumulative coefficients for each of these three pharmacokinetic parameters were expected to decrease when asunaprevir was administered twice daily at doses greater than 100 mg.

 

また、200mg以上の用量を1日2回投与したときの投与前トラフ値は、2日目に最大値を示してその後減少したため、代謝酵素の自己誘導が生じていることが示唆された。

「200mg以上の用量を1日2回投与したときの投与前トラフ値」の「ときの」があいまいです。「200mg以上の用量を1日2回投与した」と「投与前トラフ値」の間には患者のような被験者がいるのです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
また、200mg以上の用量12回投与された被験者では、投与前トラフ値2日目に最大値を示してその後減少したため、代謝酵素の自己誘導が生じていることが示唆された。 In subjects who received doses of 200 mg or more twice daily, pre-dose trough values reached a maximum on day 2 and then decreased, suggesting that auto-induction of metabolic enzymes occurred.

 

さらに、400mg及び600mgの用量パネルでは、すべての薬物動態パラメータのうちCmin/C12の累積係数が最も小さく(累積係数は1と同程度又はやや小さい)、自己誘導が生じていることが示唆された。

この「さらに」の意味がよくわかりません。先行するセンテンス「Cmin/C12におけるこの傾向は、用量を増加するとより顕著になると考えられた。」の推察を受けて、「実際に/事実、400mg及び600mgの用量パネルでは、 ~であった」と情報提示していると考えました。したがって、この「さらに」は「実際に/事実」の意味で使っているのではないかと思われます。

また、「400mg及び600mgの用量パネルでは」では、MTは"the 400 mg and 600 mg dose panels"を主語にしてしまうので、「400mg及び600mgの用量パネルにおいて」にしました。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
事実、400mg及び600mgの用量パネルにおいてCmin/C12の累積係数がすべての薬物動態パラメータの中で最も小さく(累積係数は1と同程度又はやや小さい)、これらの用量パネルでも自己誘導が生じていることが示唆された。 In the 400 mg and 600 mg dose panels, the cumulative coefficient of Cmin/C12 was the smallest of all pharmacokinetic parameters (the cumulative coefficient was equal to or slightly less than 1), suggesting that autoinduction also occurred in these dose panels.

 

医薬の和文原稿は人間がしっかり事前に解読してやらないとMTにはうまく乗りません。

MTはまだまだ昔ながらのMT。

AI翻訳とは呼べない。

でも、おっさんは昔ながらのMTが使いやすくていいなー。

 

2022年11月20日 (日)

和文原稿のpre-edit事例【事例27】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例27】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

2.3.3 累積係数

10~600mgの用量パネルでは、アスナプレビルのAUC(TAU)及びCmaxの累積係数に関して、すべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。10200mgの用量パネルでは、アスナプレビルのCminの累積係数に関して、すべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。これら3つの薬物動態パラメータすべてに関して、アスナプレビルの用量が100mg 12回を上回ると累積係数の推定値は減少すると考えられた。400mg及び600mg 12回の用量パネルでは、14日目のアスナプレビルのCmin値は1日目よりも低かったが、90%信頼上限はほぼ1であった(表2.3.3-1)。


2.3.3 Cumulative Coefficients

In the 10-600 mg dose panel, all point estimates and 90% confidence intervals for the cumulative coefficient of asunaprevir AUC (TAU) and Cmax were greater than 1. intervals were greater than 1 for the cumulative coefficient of Cmin for asunaprevir. For all three pharmacokinetic parameters, the cumulative coefficient estimates appeared to decrease as the asunaprevir dose increased above 100 mg twice daily. in the 400 mg and 600 mg twice daily dose panels, the Cmin value for asunaprevir on day 14 was lower than on day 1, but the 90% CI was nearly 1 (see Table 1). upper limit was almost 1 (Table 2.3.3-1).

 

 

右の英文をpost-editで納品レベルに仕上げるのは無理だぜ。

MTPEとやらではこんなことさせられているか、可哀そうに。

 

10200mgの用量パネルでは、アスナプレビルのCminの累積係数に関して、すべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。

「AAAに関して、BBB」の記述は、AAAとBBBの関係が不明瞭になるので、できるだけ使わないようにしましょう。DeepLは混乱して"intervals were greater than 1 for the cumulative coefficient of Cmin for asunaprevir."と滅茶苦茶になっているでしょ。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
10~200mgの用量パネルでは、アスナプレビルのCminの累積係数に関するすべての点推定値及び90%信頼区間は1を上回っていた。 In the 10-200 mg dose panel, all point estimates and 90% confidence intervals for the cumulative coefficient of Cmin for asunaprevir were above 1.

 

これら3つの薬物動態パラメータすべてに関して、アスナプレビルの用量が100mg 12回を上回ると累積係数の推定値は減少すると考えられた。

ほら、ここでも「AAAに関して、BBB」を使っているから、DeepLが混乱しています。

このセンテンスの幹は「これら3つの薬物動態パラメータそれぞれの累積係数の推定値は減少すると考えられた」です。「推定値が減少する」ときの条件が「アスナプレビルを100mg超で1日2回投与したとき」です。結合すると、「アスナプレビルを100mg超で1日2回投与したとき、これら3つの薬物動態パラメータそれぞれの累積係数の推定値は減少すると考えられた」となります。和文原稿からなるべく解離しない記述にpre-editしました。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
これら3つの薬物動態パラメータの各累積係数に関する推定値は、アスナプレビルを100mg超の用量で1日2回投与した場合、減少すると考えられた。 Estimates for the cumulative coefficients for each of these three pharmacokinetic parameters were expected to decrease when asunaprevir was administered twice daily at doses greater than 100 mg.

 

400mg及び600mg 12回の用量パネルでは、14日目のアスナプレビルのCmin値は1日目よりも低かったが、90%信頼上限はほぼ1であった(表2.3.3-1)。

「90%信頼上限」は「90%信頼区間の上限」のタイプエラーでしょう。でも、こんな単純なタイプエラーでもMTは大きく混乱するようです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
400mg及び600mg 12回の用量パネルにおいて14日目のアスナプレビルのCmin値は1日目よりも低かったが、90%信頼区間の上限はほぼ1であった(表2.3.3-1)。 In the 400 mg and 600 mg twice daily dose panels, the Cmin value for asunaprevir on day 14 was lower than on day 1, but the upper limit of the 90% confidence interval was almost 1 (Table 2.3.3-1).

 

以上のように、和文原稿を少しpre-editするだけでMTによる英訳は格段に良くなります。

 

現在のところ、

・医薬の和文原稿を解読する力は人間のほうが優れている。

・和文原稿の記述が整っていれば、MTは圧倒的に速いスピードで適切な英訳を出してくれる。

つまり、医薬の和文原稿をpre-editする能力のあるメディカル英訳者がMTを利用したら、訳文の大量生産ができる。

 

2022年11月19日 (土)

和文原稿のpre-edit事例【事例26】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例26】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

2.3.2 用量曝露関係

 

アスナプレビルの10600mgの範囲での用量-曝露関係を評価するため、曝露量(アスナプレビルのCmaxAUC(TAU)及びCmin= A × Doseβで示される式のべき数βの点推定値及び90%信頼区間を推定した。

 

その結果、アスナプレビルのCmax及びAUC(TAU)は用量比を上回って増加したが、Cminの増加は用量比を下回った。


2.3.2 Dose-exposure relationship

 

To evaluate the dose-exposure relationship for asunaprevir in the 10-600 mg range, point estimates and 90% confidence intervals for the power β of the equation presented as Exposure (Cmax, AUC(TAU) and Cmin of asunaprevir) = A × Doseβ were estimated.

 

The results showed that the Cmax and AUC(TAU) of asunaprevir increased above the dose ratio, but the increase in Cmin was below the dose ratio.

 

アスナプレビルの10600mgの範囲での用量-曝露関係を評価するため、曝露量(アスナプレビルのCmaxAUC(TAU)及びCmin= A × Doseβで示される式のべき数βの点推定値及び90%信頼区間を推定した。

和文には複数の要素がワンセンテンスに詰め込まれているケースが多いです。イートモ実戦応用例に何度も記述したように、要素別に和文を分割すると、英語が乗りやすくなります。

上記のセンテンスは

・アスナプレビルの 用量-曝露関係を評価した。

・その目的のため、~を推定した。

に分割できます。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビルの10600mgの範囲での用量-曝露関係を評価した。その目的のため、曝露量(アスナプレビルのCmaxAUC(TAU)及びCmin= A × Doseβで表される式のべき数βの点推定値及び90%信頼区間を推定した。 The dose-exposure relationship of asunaprevir in the range of 10-600 mg was evaluated. For this purpose, point estimates and 90% confidence intervals for the power β of the equation expressed as Exposure (Cmax, AUC(TAU) and Cmin of asunaprevir) = A × Doseβ were estimated.

 

なお、この企画はできるだけpre-editで処理できるようにする企画ですので、expressed asと英訳されることを想定して「で示される」を「で表される」に変更しました。post-editで簡単に処理できる部分もpre-editで対応するようにしています。

2022年11月16日 (水)

和文原稿のpre-edit事例【事例25】

MTを使ったメディカル英訳にとって極めて重要なのに人気のないpre-edit事例。

 

【事例25】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

アスナプレビルをカプセルとして10600mgの用量で12回反復経口投与したとき、アスナプレビルのCmax到達時間(Tmax)の中央値は、午前投与時では2.252.75時間、午後投与時では4.51時間であった。アスナプレビルの血漿中濃度は二相性に減少し、消失半減期の平均値は17.3623.36時間であった。14日目のCLT/F3881060 L/hと高かった。アスナプレビル反復投与後の曝露量(AUC(TAU))の被験者間変動(CV%)は14日目で39%57%であった(表2.3.1-1及び表2.3.1-2)。

 

10mgと600mgの用量パネルでは、7日目までに定常状態に達すると考えられたが、Cminの変動が大きかった。


When asunaprevir was administered orally twice daily in doses of 10 to 600 mg as capsules, the median time to Cmax (Tmax) for asunaprevir ranged from 2.25 to 2.75 hours for the morning dose and 4.51 hours for the afternoon dose. Asunaprevir plasma concentrations decreased biphasically, with a mean elimination half-life of 17.36 to 23.36 h. CLT/F on Day 14 was high, ranging from 388 to 1060 L/h. The median Tmax was 2.25 to 2.75 h for the morning dose and 4.51 h for the afternoon dose. The inter-subject variability (CV%) of exposure (AUC(TAU)) after repeated asunaprevir dosing ranged from 39% to 57% at Day 14 (Tables 2.3.1-1 and 2.3.1-2).

 

The 10 mg and 600 mg dose panels were expected to reach steady state by day 7, but had greater variability in Cmin.

 

10mgと600mgの用量パネルでは、7日目までに定常状態に達すると考えられたが、Cminの変動が大きかった。

すぐに気が付くのは「定常状態に達する」の主語が不明瞭であること。文脈から判断して「アスナプレビルの薬物動態パラメータが定常状態に達する」と補わないといけません。また、「アスナプレビルの薬物動態パラメータが定常状態に達する」という情報は「Cminの変動が大きかった」という情報と対比の関係にあるわけではありません。したがって、「が」でワンセンテンスにするよりも、別々のセンテンスで表したほうが良いでしょう。

以下のようにpre-editしたところ、DeepL英訳もわかりやすくなりました。

  DeepL英訳
10mgと600mgの用量パネルにおいてアスナプレビルの薬物動態パラメータは7日目までに定常状態に達すると思われた。これらの用量パネルではCminに大きな変動が認められた。 Pharmacokinetic parameters of asunaprevir appeared to reach steady state by day 7 in the 10 mg and 600 mg dose panels. Large variations in Cmin were observed in these dose panels.

 

・医薬の和文原稿では主語が不明瞭であることが多いので補ってやる必要がある。

・医薬の和文原稿では「~が、~」が多用されるが、必ずしも逆接・対比の意味ではない。

 

2022年11月12日 (土)

和文原稿のpre-edit事例【事例24】

【事例24】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

健康被験者を対象にアスナプレビルの安全性、忍容性及び薬物動態を検討するプラセボ対照、反復投与試験[AI447003試験(CTD 5.3.3.1.2)]

 

AI447003試験は健康被験者48例を対象とした第1相、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験であった。6種類の用量パネル(1050100200400及び600mgの用量で12回)について検討するため、各用量パネル8例を3:1の比率でアスナプレビル群又はプラセボ群にランダムに割り付けた。治験薬は14日間、空腹時に反復経口投与した。薬物動態解析用の血漿試料は、1日目の投与前及び投与12時間後まで採取し、14日目にも投与前及び投与72時間後まで採取した。

 

健康被験者に反復投与したアスナプレビルの薬物動態

 

アスナプレビル反復投与時の薬物動態を表2.3.1-1及び表2.3.1-2に要約する。


A Placebo-controlled, Repeat-Dose Study to Evaluate the Safety, Tolerability, and Pharmacokinetics of Asunaprevir in Healthy Subjects [Study AI447003 (CTD 5.3.3.1.2)].

 

Study AI447003 was a Phase 1, double-blind, placebo-controlled, repeat-dose study of 48 healthy subjects. 8 subjects from each dose panel were randomly assigned in a 3:1 ratio to asunaprevir or placebo to evaluate 6 dose panels (10, 50, 100, 200, 400 and 600 mg twice daily). or placebo group in a 3:1 ratio. The study drug was administered orally in repeated fasting cycles for 14 days. Plasma samples for pharmacokinetic analysis were collected before and up to 12 hours after dosing on Day 1, and again before and up to 72 hours after dosing on Day 14.

 

Pharmacokinetics of repeated asunaprevir administration in healthy subjects

 

The pharmacokinetics of repeated asunaprevir administration are summarized in Tables 2.3.1-1 and 2.3.1-2.

 

AI447003試験は健康被験者48例を対象とした第1相、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験であった。

MTは「を対象とした」の英訳が苦手なようです。post-editすれば済むことなのですが、何とかpre-editで処理しようと修正してやります。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
AI447003試験は健康被験者48における1相、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験であった。 Study AI447003 was a phase 1, double-blind, placebo-controlled, repeated-dose study in 48 healthy subjects.

 

6種類の用量パネル(1050100200400及び600mgの用量で12回)について検討するため、各用量パネル8例を3:1の比率でアスナプレビル群又はプラセボ群にランダムに割り付けた。

「6種類の用量パネル(10、50、100、200、400及び600mgの用量で1日2回)について検討するため 」と書かれても、何を検討するのか、どんな条件下でその検討を行うのか、さっぱりわかりません。

二つの情報に分けることができます。つまり、「アスナプレビルを6種類の用量パネル(10、50、100、200、400及び600mgの用量)で1日2回投与することとしたこと」と「各用量パネルにつき、8例を3:1の比率でアスナプレビル群又はプラセボ群にランダムに割り付けたこと」です。その結果出来上がったのが以下のpre-edit後の和文原稿です。

「検討する」が含まれていません。検討する項目は「アスナプレビルの安全性、忍容性及び薬物動態」でしょうけど、このセンテンスで言及するのは訳しすぎになるので、「検討する」は含めませんでした。この和文センテンスで重要な情報は投与方法と割り付けの二つですので、それらを明確に記述することに注力しました。すぐ上の項目名に「健康被験者を対象にアスナプレビルの安全性、忍容性及び薬物動態を検討するプラセボ対照、反復投与試験[AI447003試験(CTD 5.3.3.1.2)]」とあるのですから、改めて何を検討するのかを記述する必要はないでしょう。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビルは6種類の用量パネル(10、50100200400及び600mgで1日2回投与することとした。各用量パネルにつき、8例を3:1の比率でアスナプレビル群又はプラセボ群にランダムに割り付けた。 Asunaprevir was administered twice daily in six dose panels (10, 50, 100, 200, 400 and 600 mg). For each dose panel, 8 patients were randomly assigned to the asunaprevir or placebo group in a 3:1 ratio.

 

健康被験者に反復投与したアスナプレビルの薬物動態

これもpost-editで簡単に修正できますが、pre-editで処理できるか試してみます。

下記のように何とかうまくいきます。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
健康被験者に反復投与時のアスナプレビルの薬物動態 Pharmacokinetics of asunaprevir after repeated administration to human subjects

 

●アスナプレビル反復投与時の薬物動態を表2.3.1-1及び表2.3.1-2に要約する。

これもpost-editで簡単に修正できますが、pre-editで処理できるか試してみます。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビル反復投与時におけるアスナプレビルの薬物動態を表2.3.1-1及び表2.3.1-2に要約する。 The pharmacokinetics of asunaprevir during repeated asunaprevir administration are summarized in Tables 2.3.1-1 and 2.3.1-2.

 

この企画はpre-editだけで納品可能レベルに近づけることができるかを検討する企画なので、post-editしたほうが速い部分もpre-editしています。

 

2022年11月11日 (金)

和文原稿のpre-edit事例【事例21】

事例番号が前後していますので、ご注意ください。

【事例21】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

用量及び曝露量が高いほど、HCV RNAのベースラインからの最大減少量の平均値は大きかった(図2.2.3-2)。ジェノタイプと曝露量の間及びHCV RNAの最大減少量到達時間と曝露量の間に明らかな傾向は認められなかった。HCV RNAのベースラインからの最大減少量の平均値(最大減少量到達時間の平均値)は、アスナプレビル1050200及び600 mg投与時でそれぞれ0.2826.00時間)、0.6421.60時間)、2.2621.60時間)及び2.8728.00時間)であった(表2.2.3-1)。最高血漿中濃度到達時間とHCV RNAの最大減少量到達時間の間には差がみられた。


The higher the dose and exposure, the greater the mean maximum decrease from baseline in HCV RNA (Figure 2.2.3-2). No clear trend was observed between genotype and exposure dose or between time to maximum reduction in HCV RNA and exposure dose; the mean maximum reduction in HCV RNA from baseline (mean time to maximum reduction) was 0.28 (26.00 hours), 0.28 (26.00 hours) and 0.28 (26.00 hours) at 10, 50, 200 and 600 mg asunaprevir, respectively. (26.00 hours), 0.64 (21.60 hours), 2.26 (21.60 hours), and 2.87 (28.00 hours) at 10, 50, 200, and 600 mg asunaprevir, respectively (Table 2.2.3-1). There was a difference between the time to reach maximum plasma concentration and the time to reach maximum reduction in HCV RNA.

 

●ジェノタイプと曝露量の間及びHCV RNAの最大減少量到達時間と曝露量の間に明らかな傾向は認められなかった。

「ジェノタイプと曝露量の間」及び「HCV RNAの最大減少量到達時間と曝露量の間」とあるけど、「~の間に傾向はなかった」では意味不明瞭で、英語が乗りません。「関連性」について述べていることは明らかなので、そのように修正します。

「曝露量」がexposure doseと間違って英訳されるので、「曝露量」を事前にexposureとしておきます。

pre-edit後の和文 DeepL英訳
ジェノタイプとexposureの関連性及びHCV RNAの最大減少量到達時間とexposureの関連性に明らかな傾向は認められなかった。 No clear trend was observed in the association between genotype and exposure or in the association between time to reach maximum reduction in HCV RNA and exposure.

 

●HCV RNAのベースラインからの最大減少量の平均値(最大減少量到達時間の平均値)は、アスナプレビル1050200及び600 mg投与時でそれぞれ0.2826.00時間)、0.6421.60時間)、2.2621.60時間)及び2.8728.00時間)であった(表2.2.3-1)。

pre-edit前のDeepL英訳は滅茶苦茶。

それはなぜかと言うと、「HCV RNAのベースラインからの最大減少量の平均値(最大減少量到達時間の平均値)は」で突然始まっており、この「最大減少量の平均値」がどのような条件下で求められたものなのか不明瞭であるためです。そこで、「アスナプレビル10、50、200及び600mg投与時に測定した」で始まるセンテンスに修正しました。その結果、DeepL英訳はだいぶ改善しました。

pre-edit後の和文 DeepL英訳
アスナプレビル10、50、200及び600mg投与時に測定したHCV RNAのベースラインからの最大減少量の平均値(最大減少量到達時間の平均値)は、それぞれ0.2826.00時間)、0.6421.60時間)、2.2621.60時間)及び2.8728.00時間)であった(表2.2.3-1)。 The mean maximum decrease from baseline in HCV RNA measured at 10, 50, 200, and 600 mg asunaprevir (mean time to reach maximum decrease) were 0.28 (26.00 hours), 0.64 (21.60 hours), 2.26 (21.60 hours) and 2.87 (28.00 hours) (Table 2.2.3-1).

 

特に二つ目のように、和文の意味を踏まえたpre-editを行うだけでDeepL英訳は大幅に改善します。

メディカル英訳におけるpre-editの重要性を指摘している人はほとんどいないけど、pre-editなしのMT出力をpost-editだけで納品レベルに仕上げるのは不可能だ。post-editだけで納品していたら、医学翻訳業界はそのうち破綻するだろうな。だから、結局は和文原稿に戻って、pre-editと同様のことをしないといけなくなる。つまり、和文原稿と照合して訳しなおし。

そんな手間かけるんなら、pre-editしたほうが断然良い。pre-editした上でMTにかければ、英訳スピードは圧倒的にMTのほうが速いし、英訳の質もMTのほうが良いことがたくさんある。どうしてメディカル英訳におけるpre-editの重要性が強調されないのか不思議だ。

 

 

ならば、翻訳スクールに代わって、医学翻訳ブログでpre-editの事例をちょっとずつ紹介していきましょう。

しかも、無料で。

 

2022年11月 6日 (日)

久しぶりにpre-edit事例をご紹介

久しぶりに和文原稿のpre-edit事例を2件紹介しました。

やってみると、メディカル英訳トレーニングを書くよりも断然面白い。

和文原稿のpre-editはメディカル英訳にとって重要なプロセスなんだけど、関心のある人は少ないみたいで、どういうわけか人気がないのです。

ま、気が向いたら、またアップするかもです。

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和文原稿のpre-edit事例【事例23】

【事例23】

pre-edit前の和文原稿 DeepL英訳

表現型/遺伝子型解析

 

ポピュレーション・シークエンス解析の結果、アスナプレビル200mg又は600mgを単回経口投与されたC型慢性肝炎被験者では、アスナプレビル耐性の原因とされる変異の増加は検出されなかった。

 

一方、遺伝子型解析により、既知のHCV NS3プロテアーゼ耐性変異が投与前から存在していたことが明らかになった。このうち、ジェノタイプ1b-NS3-E168がアスナプレビル600mgコホートのプラセボ投与例1例から主な変異として検出された。当該被験者から得られたNS3プロテアーゼのポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施したところ、アスナプレビル耐性変異が同定された。

 

既知のHCV NS3プロテアーゼ耐性変異が投与前から存在していたことから、アスナプレビルは単独投与ではなく、他の薬剤と併用投与すべきであることが考えられた。

 

アスナプレビルは消失半減期が長く(14.9621.57時間)、肝取込みが高いにもかかわらず、10600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められ、最高用量の600mgを投与した被験者でも同様であったことから、アスナプレビルの用法は12回が最適であると考えられた。

Phenotypic/genotypic analysis

 

Population sequencing analysis did not detect an increase in mutations that are known to cause asunaprevir resistance in chronic hepatitis C subjects who received a single oral dose of asunaprevir 200 mg or 600 mg.

 

On the other hand, genotyping revealed that known HCV NS3 protease resistance mutations were present prior to administration. Of these, genotype 1b-NS3-E168 was detected as the predominant mutation in one placebo-treated subject in the asunaprevir 600 mg cohort. Exploratory phenotypic analysis of the NS3 protease population sequence from that subject identified an asunaprevir-resistant mutation.

 

The presence of known HCV NS3 protease resistance mutations prior to administration suggested that asunaprevir should not be administered alone but in combination with other drugs.

 

Despite asunaprevir's long elimination half-life (14.96-21.57 hours) and high hepatic uptake, viral repopulation was observed in each subject by 24 hours after a single oral dose of 10-600 mg, and this was also true in subjects receiving the highest dose of 600 mg. The optimal dosage of asunaprevir was twice daily.

 

当該被験者から得られたNS3プロテアーゼのポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施したところ、アスナプレビル耐性変異が同定された。

「ポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施したところ、」については、「ポピュレーション・シークエンスについて探索的な表現型解析を実施した」と一旦区切るとMTにとって理解しやすい。さらに、「ついては」はなるべく使わないほうがMTにとって理解しやすい。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
当該被験者から得られたNS3プロテアーゼのポピュレーション・シークエンス探索的な表現型解析に供した。この表現型解析により、アスナプレビル耐性変異が同定された。 Population sequences of NS3 protease obtained from the subject were subjected to exploratory phenotypic analysis. This phenotypic analysis identified asunaprevir-resistant mutations.

 

アスナプレビルは消失半減期が長く(14.9621.57時間)、肝取込みが高いにもかかわらず、10600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められ、最高用量の600mgを投与した被験者でも同様であったことから、アスナプレビルの用法は12回が最適であると考えられた。

センテンスが長すぎ、MTにとっても人間にとっても理解しにくい。情報を整理していきます。

1.アスナプレビルは消失半減期が長く(14.96~21.57時間)、肝取込みが高い。

2.(それに反して)10~600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められた。

3.最高用量の600mgを投与した被験者でも(同様の所見が認められた)。

4.(以上の所見から)アスナプレビルの用法は1日2回が最適であると考えられた。

上記のように、4つの情報に分けられます。これら4情報をMTに理解できるようにpre-editした結果が以下の通りです。

pre-edit後の和文原稿 DeepL英訳
アスナプレビルは消失半減期が長く(14.9621.57時間)、肝取込みが高いことが知られている。しかし、アスナプレビル10600mgの単回経口投与から24時間後までに各被験者でウイルスの再増殖が認められた。同様の現象が最高用量の600mgが投与された被験者でも認められた。これらの所見から、アスナプレビルの至適投与頻度は12回であると考えられた。 Asunaprevir is known to have a long elimination half-life (14.96-21.57 hours) and high hepatic uptake. However, viral repopulation was observed in each subject by 24 hours after a single oral dose of 10 to 600 mg of asunaprevir. A similar phenomenon was observed in subjects receiving the highest dose of 600 mg. Based on these findings, the optimal frequency of asunaprevir administration was twice daily.

多少のpre-editするだけで良好な英文になります。あとは微調整して納品するだけです。

pre-editはMTが登場して生まれた概念のように思っている人もいるかもしれないけど、メディカル英訳者が、元々、和文原稿が英文になりやすいように脳内で読み替えてきたことと同じです。

 

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