和文原稿のpre-edit事例

2024年4月17日 (水)

和文原稿のpre-edit事例-9

[和文原稿]

SOF群の平均クレアチニンクリアランスは、中等度及び重度肝機能障害被験者でそれぞれ94.31及び 92.60 mL/minであった。GS-0938群での平均クレアチニンクリアランスは102.43 mL/min.であった(表 2.7.6.6-2)。

 

スタイルは和文原稿のpre-edit事例-8と類似しており、pre-editの進め方も同じになります。

そちらを参照してください。

 

最近はこのような類似部分は翻訳料にならないか、ディスカウントされるのでしょうか?

昔の話で申し訳ありませんが、毒性試験報告書の和訳依頼がどっさり来て大変だと思いましたが、実験動物が異なるだけの報告書でした。つまり、ラットを用いて毒性試験報告書を和訳してしまえば、あとのマウス、ウサギ、イヌ等の報告書は微調整するだけ。もちろん、個々の報告書は原文と照合してチェックしました。依頼された分はきっちり作業したのですから、ディスカウントされる理由はなく、全額支払われました。

医学翻訳はこういう「おいしいところ」があるので良かったのですが、最近はPCの性能が良くなって差分が出るからおいしくないね。

差分を考慮して訳文を仕上げるのはものすごく労力がいるんだよ。翻訳会社はクライアントにいい顔ばかりしないで、労力に見合った翻訳料を請求してほしいな。翻訳会社や翻訳者がいなくなったら、日本の製薬業界は世界から置いてけぼりになりますよと啖呵を切ってくれ。

おっさんはとっくにFIREしたからどうでもいいけどさ。

20240417-101244

2024年4月14日 (日)

和文原稿のpre-edit事例-8

[和文原稿]

SOF群のベースラインの対数化(log10)平均HCV RNA量は、中等度及び重度肝機能障害被験者でそれぞれ 5.95及び5.70 IU/mLであった。GS-0938群のベースラインの対数化(log10)平均HCV RNA量は5.28 IU/mLであった。

 

上記の和文をDeepLに英訳させます。

The log10 mean baseline HCV RNA levels in the SOF group were 5.95 and 5.70 IU/mL for subjects with moderate and severe hepatic dysfunction, respectively; the log10 mean baseline HCV RNA level in the GS-0938 group was 5.28 IU/mL.

 

悪くはないのですが、英文だけをみたら、すっきりしません。

 

「SOF群」とか「GS-0938群」とか「群」を使うのはやめましょう。代わりに「SOFに割り付けた~」、「GS-0938に割り付けた~」と記述したほうが明瞭になります。


したがって、1番目のセンテンスは、

「ベースラインの対数化(log10)平均HCV RNA量は、SOFに割り付けられた中等度及び重度肝機能障害被験者でそれぞれ 5.95及び5.70 IU/mLであった。」

となります。

 

2番目のセンテンスについては、先行するパラグラフからわかるように、GS-0938に割り付けられたのは中等度肝機能障害の被験者のみでした。

したがって、以下のようにpre-editします。

「GS-0938に割り付けられた中等度肝機能障害の被験者におけるベースラインの対数化(log10)平均HCV RNA量は5.28 IU/mLであった。」

 

以上を整理します。

「ベースラインの対数化(log10)平均HCV RNA量は、SOFに割り付けられた中等度及び重度肝機能障害被験者でそれぞれ 5.95及び5.70 IU/mLであった。GS-0938に割り付けられた中等度肝機能障害の被験者におけるベースラインの対数化(log10)平均HCV RNA量は5.28 IU/mLであった。」

上記のpre-editした和文を再びDeepLに英訳させました。

The logarithmized (log10) mean baseline HCV RNA levels were 5.95 and 5.70 IU/mL for moderately and severely liver dysfunction subjects assigned to SOF, respectively. The logarithmized (log10) mean baseline HCV RNA level in subjects with moderate liver dysfunction assigned to GS-0938 was 5.28 IU/mL.

 

よくできました。

字面だけを英語に変換するだけならMTで十分です。

でも、医学翻訳仕事では原文の他の部分や図表等を参考にしながら、和文原稿から逸脱しない範囲で真の情報を読み取ることが最重要です。これが最重要であり、かつ一番難しいのです。

20220120163140_20240414163201

上記の表の第1段階と第2段階です。MTが真の情報の読み取り、そして読み替えが出来るようになったら、人間翻訳者は不要になるでしょうが、現時点では程遠い。むしろ、不良対訳コーパスによって汚染され、機能不全へ向かっているように思えます。

 

2024年4月13日 (土)

和文原稿のpre-edit事例-7

[和文原稿]

全被験者の平均年齢は54.1歳(範囲;44.072.0歳)であった。被験者の大多数(80.0%)は男性で、ほとんどの被験者が白人(92.0%)であった。

 

上記の和文をDeepLに英訳してもらいます。

The mean age of all subjects was 54.1 years (range; 44.0-72.0 years). The majority of subjects (80.0%) were male and most subjects were Caucasian (92.0%).

 

特にpre-editする部分はないですね。

つまらないので、イートモ検索した結果をいくつか紹介します。

 

[平均年齢]。このような記述もあります。

20240409-175430_20240413151901

 

[ほとんど 被験者]。

[ほとんど 患者]でも検索してみてください。

20240413-151447

 

[白人]。

20240413-151658

 

用語ベースでおぼえても、医学翻訳仕事には無意味です。

かならず用語の前後、出来ればセンテンスベースでおぼえましょう。

 

2024年4月11日 (木)

和文原稿のpre-edit事例-6

[和文原稿]

両投与群に、年4回のウイルス耐性モニタリングを完了した被験者はいなかった(25例中24[96%]の被験者では、追跡不能となり年4回訪問を実施できなかった)。

 

上記の和文をDeepLに英訳させます。

No subjects in both treatment groups completed the quarterly viral resistance monitoring (24 of 25 subjects [96%] were lost to follow-up and did not make the quarterly visit).

 

大きな問題はないようです。

しいてあげれば、「両投与群に、」をもう少し明瞭に記述したいところです。

上記2投与どちらにおいて4ウイルス耐性モニタリング完了した被験者いなか2524[96%]被験者では追跡不能となり4訪問実施できなか。」

下線部のようにpre-editしました。

 

pre-editした和文をDeepLに再度英訳してもらいました。

No subjects in either of the above two treatment groups completed the quarterly viral resistance monitoring (24 of 25 subjects [96%] were unable to complete the quarterly visits due to lack of follow-up).

 

「追跡不能」の英訳がいまいち。

「追跡不能」も医薬翻訳では常識用語です。イートモで検索してみます。

51対訳と少ないので、全部、翻訳トレーニングするか、脳内インストールしましょう。

20240409-175430_20240411165401

 

No subjects in either of the above two treatment groups completed the quarterly viral resistance monitoring (24 of 25 subjects [96%] were unable to complete the quarterly visits due to loss to follow-up).

下線部のようにポストエディットして終わりです。

 

2024年4月10日 (水)

和文原稿のpre-edit事例-5

[和文原稿]

SOF群では、17例中16例の被験者は治験薬の全投与を受け、Day14のフォローアップに来院した(中等度肝機能障害の1例はDay 3に同意撤回した)。GS-0938群では、全8例の被験者は治験薬の全投与を受け、Day14のフォローアップに来院した。

 

上記の和文をDeepLに英訳させます。

In the SOF arm, 16 of 17 subjects received the full dose of study drug and presented for follow-up on Day 14 (one subject with moderate hepatic dysfunction withdrew consent on Day 3); in the GS-0938 arm, all 8 subjects received the full dose of study drug and presented for follow-up on Day 14.

 

最初のセンテンス。

「SOF群では、17例中16例の被験者は治験薬の全投与を受け、Day14のフォローアップに来院した」

悪くはないのですが、先行するパラグラフに「SOF群」という記述は出ていません。突然「SOF群」と書き始めたのでは読者は理解に迷います。読者が迷うということはMTも迷います。

先行するパラグラフと同様の記述「SOFに割り付けられた17例のうち16例は~」のほうがわかりやすい。


「治験薬の全投与を受け」

の「全投与」とは何なのか。これも意味不明です。「規定された用量の治験薬投与を受けた」と推察しました。つまり、前パラグラフに記述されているように、「中等度の肝機能障害の9例はSOF 400mgの投与を受け、重度肝機能障害の8例はSOF 400mgの投与を受け」、「これら17例のうち規定された用量のSOFの投与を実際に受けたのは16例であった」ということなのでしょう。

 

したがって、以下のように整理します。

「SOFに割り付けられた17例のうち16例は規定された用量で治験薬の投与を受けた」

  となります。

 

「(中等度肝機能障害の1例はDay 3に同意撤回した)」

この部分については特に言及することはありません。

 

「GS-0938群では、全8例の被験者は治験薬の全投与を受け、Day14のフォローアップに来院した。」

についても、前述したように読み替えます。

 

「GS-0938に割り付けられた全8例の被験者が規定された用量で治験薬の投与を受け、Day14のフォローアップに来院した。」

 

「フォローアップに来院した」

については、follow-up visitという表現がすぐに思い浮かぶと思います。

イートモで検索してみました。

20240409-175430_20240410173501

 

attended follow-up visits

completed follow-up visits

had follow-up visits

などが使えるようです。みなさんも調べてみてください。

以上の整理すると、以下のようになります。

「SOFに割り付けられた17例のうち16例は規定された用量で治験薬の投与を受け、Day14にfollow-up visitsを行った(中等度肝機能障害の1例はDay 3に同意撤回した)。GS-0938に割り付けられた全8例の被験者が規定された用量で治験薬の投与を受け、Day14にfollow-up visitsを行った。」

 

  上記のpre-editした和文をDeepLに再度英訳してもらいました。

Of the 17 subjects assigned to SOF, 16 received the study drug at the prescribed dose and had follow-up visits on Day 14 (one subject with moderate hepatic dysfunction withdrew consent on Day 3). All 8 subjects assigned to GS-0938 received the study drug at the prescribed dose and had follow-up visits on Day 14.

  Goodです。きっちりpre-editしてやると、MTはしっかり応えてくれます。

 

2024年4月 9日 (火)

和文原稿のpre-edit事例-4

[和文原稿]

中等度肝機能障害群の中間解析の結果から、GS-0938又はSOFのいずれも中等度肝機能障害の成績が軽度肝機能障害の被験者にも適用が可能であることが示されたため、軽度肝機能障害被験者のGS-0938又はSOF投与への組入れは実施しなかった。

 

上記の和文をDeepLに英訳させました。

Because the results of the interim analysis of the moderate hepatic dysfunction group indicated that the results of moderate hepatic dysfunction for either GS-0938 or SOF were applicable to subjects with mild hepatic dysfunction, subjects with mild hepatic dysfunction were not enrolled in GS-0938 or SOF treatment.

 

「中等度肝機能障害群の中間解析の結果から、」

このように「の」が連続する部分には注意が必要です。

 

MTが理解しやすいように

「中等度肝機能障害群で得られたデータの中間解析の結果から、」

と補足してやります。

 

「GS-0938又はSOFのいずれも中等度肝機能障害の成績が軽度肝機能障害の被験者にも適用が可能である」

意味不明です。w

「適用が可能である」は「軽度肝機能障害の被験者でも中等度肝機能障害の被験者の類似の結果が得られる」という意味を示していると推察されます。だから、「軽度肝機能障害被験者のGS-0938又はSOF投与への組入れは実施しなかった」、つまり、「軽度肝機能障害被験者にGS-0938又はSOFを投与する必要はなかった」ということなのでしょう。きっとそうです。w

 

以上、整理すると以下のようになります。

GS-0938又はSOFのいずれも」を使うと、これが主語になってしまいます。「中等度肝機能障害の成績と類似した成績が軽度肝機能障害の被験者でも得られる」ことを文の骨格にしたいので、薬剤GS-0938又はSOF)を問わず、」と読み替えました。

薬剤GS-0938又はSOF)を問わず中等度肝機能障害被験者成績同様成績軽度機能障害被験者られる

 

ちなみに「のいずれも~であった」を英訳するときには述語が明確かどうかを確かめる必要があります。

イートモ検索してみましたが、「のいずれも」の訳し方は難しい。複雑なセンテンスの中でむやみに「のいずれも」は使わないことです。

全部で76対訳しかないので、一通り脳内にインストールしておきましょう。

20240409-175430

 

最後に、

「軽度肝機能障害被験者のGS-0938又はSOF投与への組入れは実施しなかった。」

 

軽度肝機能障害被験者でのデータを取得する必要がなかったので、

「軽度肝機能障害被験者に対するGS-0938又はSOFの投与は行わなかった。」

と読み替えます。

 

以上をまとめると、

「中等度肝機能障害群で得られたデータの中間解析の結果から、薬剤GS-0938又はSOF)を問わず中等度肝機能障害被験者成績同様成績軽度機能障害被験者られることが示された。したがって、軽度肝機能障害被験者に対するGS-0938又はSOFの投与は行わなかった。」

  となります。ワンセンテンスが長すぎるので、「したがって、」で2分割しました。

 

pre-editした和文をDeepLに再度英訳してもらいます。

The results of the interim analysis of the data obtained in the moderate hepatic dysfunction group indicated that similar results to those obtained in subjects with moderate hepatic dysfunction could be obtained in subjects with mild hepatic dysfunction, regardless of the drug (GS-0938 or SOF). Therefore, GS-0938 or SOF was not administered to subjects with mild hepatic dysfunction.

だいぶ良くなりました。

 

2024年4月 7日 (日)

和文原稿のpre-edit事例-3

[和文原稿]

中等度肝機能障害の被験者からの薬物動態、安全性及びHCV RNAデータをレビューした後、8例の重度肝機能障害の被験者を組み入れ、SOF 400mgを投与した。GS-0938は他の試験(P2938-0721試験)での安全性が疑われる所見(GS-0938に関連した ALT上昇)のため、重度肝機能障害の被験者の組入れは実施しなかった。

 

DeepLによる英訳は以下の通りです。

After reviewing pharmacokinetic, safety, and HCV RNA data from subjects with moderate hepatic dysfunction, 8 subjects with severe hepatic dysfunction were included and received SOF 400 mg. GS-0938 was not approved for use in the other study (P2938-0721 study) due to questionable safety findings (GS-0938-related ALT elevation), subjects with severe hepatic dysfunction were not enrolled.

 

1番目のセンテンス。

中等度肝機能障害の被験者からの薬物動態、安全性及びHCV RNAデータをレビューした後、8例の重度肝機能障害の被験者を組み入れ、SOF 400mgを投与した。

 

「中等度肝機能障害の被験者からの薬物動態、安全性及びHCV RNAデータをレビューした後、」は中等度肝機能障害の被験者についての記述、「8例の重度肝機能障害の被験者を組み入れ、SOF 400mgを投与した。」は重度肝機能障害の被験者についての記述ですから、センテンスを別にしたほうがよいでしょう。


つまり、

我々は中等度肝機能障害の被験者からの薬物動態、安全性及びHCV RNAデータをレビューした。次に、8例の重度肝機能障害の被験者を組み入れ、SOF 400mgを投与した。

  と読み替えます。

しかし、

「次に、8例の重度肝機能障害の被験者を組み入れ、SOF 400mgを投与した。」

の「組み入れ」の記述は不要です。

 

以下の記述で十分です。

「次に、8例の重度肝機能障害の被験者に対してSOF 400mgを投与した。」

2番目のセンテンス。

GS-0938は他の試験(P2938-0721試験)での安全性が疑われる所見(GS-0938に関連した ALT上昇)のため、重度肝機能障害の被験者の組入れは実施しなかった。」

の英訳は完全に間違っています。

医薬系の日本語文書はシンプルな内容をわざと回りくどく記述する傾向がありますので、英訳する際にはこの回りくどい記述を脳内pre-editする必要があるのです。このことを知っていないと、いくら英語の勉強をしても英訳はできません。

 

上記の和文は以下のように読み替えることができます。

「しかし、GS-0938の安全性が懸念される所見(ALT上昇)が他の試験(P2938-0721試験)で認められたことから、GS-0938 は重度肝機能障害の被験者に投与しなかった。」

 

ちなみに、「安全性が疑われる所見」を英訳する上でヒントを得るため、[安全性上の懸念]でイートモ検索すると61対訳が抽出されます。

20240407-175824_20240407181701

 

 

総合すると、以下の和文原稿にpre-editされます。

「我々は中等度肝機能障害の被験者からの薬物動態、安全性及びHCV RNAデータをレビューした。次に、8例の重度肝機能障害の被験者に対してSOF 400mgを投与した。しかし、GS-0938の安全性が懸念される所見(ALT上昇)が他の試験(P2938-0721試験)で認められたことから、GS-0938 は重度肝機能障害の被験者に投与しなかった。」

上記の和文原稿を再びDeepLに英訳してもらいました。

We reviewed pharmacokinetic, safety and HCV RNA data from subjects with moderate hepatic dysfunction. We then administered SOF 400 mg to eight subjects with severe hepatic dysfunction. However, GS-0938 was not administered to subjects with severe hepatic dysfunction because a finding of safety concern with GS-0938 (elevated ALT) was observed in another study (Study P2938-0721).

なかなか良くなりました。

 

2024年4月 6日 (土)

和文原稿のpre-edit事例-2

[和文原稿]

組入れ数は最大48例を計画し、うち合計25例の被験者を組み入れた。最初に、中等度の肝機能障害を有する17例を組み入れ、うち8例はGS-0938 300mgの投与及び9例はSOF 400mgの投与を行った。

 

[DeepLによる英訳]

A maximum of 48 subjects were planned for inclusion, of which a total of 25 subjects were included. Initially, 17 subjects with moderate hepatic dysfunction were included, 8 of whom received GS-0938 300 mg and 9 of whom received SOF 400 mg.

 

1番目のセンテンス。

「組入れ数は最大48例を計画し、うち合計25例の被験者を組み入れた。」

 

「計画した組入れ数」と「実際の組入れ数」は別情報ですので、センテンスを分けたほうがよいでしょう。

 

「組入れ数は最大48例を計画し、」→「計画された最大の組み入れ被験者数は48例であった。」

参考になる対訳を探すため、[最大 計画]でイートモ検索してみました。

20240406-140825

    

イートモの対訳をヒントにすれば、

"The planned maximum number of subjects to be enrolled was ..."

のような英訳が簡単に思いつきます。

 

さて、「うち合計25例の被験者を組み入れた。」についてですが、この文章の真の意味は「そのうち、本試験は合計25例の被験者で実施した。」ということです。

そもそも、

組入れ数は最大48例を計画し、うち合計25例の被験者を組み入れた。」

と、ワンセンテンスに「組み入れ」が二つ入ってることから、情報がねじれていることがわかります。

 

2番目のセンテンス。

「最初に、中等度の肝機能障害を有する17例を組み入れ、うち8例はGS-0938 300mgの投与及び9例はSOF 400mgの投与を行った。」

またまた「組み入れ」と記述されていますが、その記述は不要です。

 

このセンテンスの中心的な情報は

「中等度の肝機能障害の被験者をGS-0938 300mgの投与又はSOF 400mgの投与に割り付けた」

ということです。

 

よって、上記の骨格に枝葉をつければ以下のようになります。

「最初に中等度の肝機能障害のある被験者17例をGS-0938 300mgの投与(8例)又はSOF 400mgの投与(9例)に割り付けた。」

 

以上を踏まえて、以下のようにpre-editしました。

「計画された最大の組み入れ被験者数は48例であった。そのうち、本試験は合計25例の被験者で実施した。最初に中等度の肝機能障害のある被験者17例をGS-0938 300mgの投与(8例)又はSOF 400mgの投与(9例)に割り付けた。」

再び、DeepLに英訳させました。

The planned maximum number of subjects to be included was 48. Of those, the study was conducted with a total of 25 subjects. Initially, 17 subjects with moderate hepatic dysfunction were assigned to receive GS-0938 300 mg (8 subjects) or SOF 400 mg (9 subjects).

 

まずまずの出来になりました。

 

和文原稿のpre-edit事例-1

久しぶりの和文原稿のpre-edit事例です。

[和文原稿]

被験者の内訳及び人口統計学特性

組入れ数は最大48例を計画し、うち合計25例の被験者を組み入れた。最初に、中等度の肝機能障害を有する17例を組み入れ、うち8例はGS-0938 300mgの投与及び9例はSOF 400mgの投与を行った。中等度肝機能障害の被験者からの薬物動態、安全性及びHCV RNAデータをレビューした後、8例の重度肝機能障害の被験者を組み入れ、SOF 400mgを投与した。GS-0938は他の試験(P2938-0721試験)での安全性が疑われる所見(GS-0938に関連した ALT上昇)のため、重度肝機能障害の被験者の組入れは実施しなかった。中等度肝機能障害群の中間解析の結果から、GS-0938又はSOFのいずれも中等度肝機能障害の成績が軽度肝機能障害の被験者にも適用が可能であることが示されたため、軽度肝機能障害被験者のGS-0938又はSOF投与への組入れは実施しなかった。

 

上記の和文原稿をDeepLに英訳してもらいました。

 

Breakdown of subjects and demographic characteristics

A maximum of 48 subjects were planned for inclusion, of which a total of 25 subjects were included. Initially, 17 subjects with moderate hepatic dysfunction were included, 8 of whom received GS-0938 300 mg and 9 of whom received SOF 400 mg. After reviewing pharmacokinetic, safety, and HCV RNA data from subjects with moderate hepatic dysfunction, 8 subjects with severe hepatic dysfunction were included and received SOF 400 mg. GS-0938 was not approved for use in the other study (P2938-0721 study) due to questionable safety findings (GS-0938-related ALT elevation), subjects with severe hepatic dysfunction were not enrolled. Because the results of the interim analysis of the moderate hepatic dysfunction group indicated that the results of moderate hepatic dysfunction for either GS-0938 or SOF were applicable to subjects with mild hepatic dysfunction, subjects with mild hepatic dysfunction were not enrolled in GS-0938 or SOF treatment.

 

まず、今回は項目名の部分だけ。

確かにbreakdownには「内訳」の意味はありますが、治験文書のこの文脈ではふさわしくありません。

イートモで調べてみます。

20240406-141719

 

ご覧のようにdispositionを使うのが常識です。

項目名は目立つので、特に慎重に英訳します。

MTは間違うという前提でMT出力を仕上げる必要があります。

 

ついでに「人口統計学特性」についてもイートモで検索してみましたが、ヒットしません。

現時点では「人口統計学特性」と記述するのが一般的です。

 

PMDAサイトで調べると

"人口統計学特性"の検索結果 約1件

"人口統計学的特性"の検索結果 約115件


 

あらためて、「人口統計学的特性」についてイートモで検索してみました。

20240406-143609

 

この件に関しては、DeepLは「人口統計学特性」を「人口統計学的特性」と読み替えて的確に英訳しています。

我々人間は原文・訳文のエラーを瞬時に見つけ、高速で修正する技量が求められるのでしょう。

 

暇を見つけて、今後、本文の検証を行います。

 

2024年1月14日 (日)

和文原稿のpre-edit事例

[和文原稿]

また、肝機能検査値異常及び過敏症反応を、その他重要な有害事象として記述した。さらに、pegIFNα/RBV 療法又は他の承認済みDAA 療法(TVR)との関連が知られている有害事象の発現割合及び重症度に対する、DCV+ASV 併用療法又はASV+pegIFNα/RBV 併用療法の影響を検討するため、「その他注目すべき有害事象」を設けた。「その他注目すべき有害事象」として、血液学的事象、消化管事象(複合語)、発疹(複合語)、精神障害、心臓障害、腎機能障害、呼吸器障害を評価した。

 

上記の和文原稿をDeepLに英訳してもらいました。

 

In addition, abnormal liver function tests and hypersensitivity reactions were described as other significant adverse events. In addition, "Other Noteworthy Adverse Events" was established to examine the impact of DCV+ASV or ASV+pegIFNα/RBV combination therapy on the incidence and severity of adverse events known to be associated with pegIFNα/RBV therapy or other approved DAA therapy (TVR). The "Other Notable Adverse Events" included hematologic events, gastrointestinal events (composite term), rash (composite term), psychiatric disorders, cardiac disorders, renal dysfunction, and respiratory disorders.

 

一文ずつチェックしていきます。

 

また、肝機能検査値異常及び過敏症反応を、その他重要な有害事象として記述した

 

「として記述した」よりも「と集計した」または「として報告した」のほうが意味が通りやすい。また、先頭の「また、」は不要と考えます。

よって、以下のようにpre-editしました。

 

肝機能検査値異常及び過敏症反応は「その他重要な有害事象」として報告した。

 

MTに英訳させます。

 

Abnormal liver function tests and hypersensitivity reactions were reported as "Other Significant Adverse Events.

 

若干の微調整をします。

 

Abnormal liver function tests and hypersensitivity reactions were reported as "Other Significant Adverse Events."

 

さらに、pegIFNα/RBV 療法又は他の承認済みDAA 療法(TVR)との関連が知られている有害事象の発現割合及び重症度に対する、DCV+ASV 併用療法又はASV+pegIFNα/RBV 併用療法の影響を検討するため、「その他注目すべき有害事象」を設けた。「その他注目すべき有害事象」として、血液学的事象、消化管事象(複合語)、発疹(複合語)、精神障害、心臓障害、腎機能障害、呼吸器障害を評価した。

 

このセンテンスが問題です。和文原稿のままでは意味不明です。特に治験関係の文書は解釈・読み替えしてから英訳する必要があります。メディカル英訳の極意に書いてある通りです。中高の英語教育や翻訳スクールの勉強では、いつまでもトライアルを突破できないし、プロとして安定稼働できないのです。

 

以下のように分析しました。

DCV+ASV 併用療法又はASV+pegIFNα/RBV 併用療法の安全性を評価することが主題です(これが肝)。したがって、pegIFNα/RBV 療法又は他の承認済みDAA 療法(TVR)でわかっている有害事象、特に「その他注目すべき有害事象」を基準にDCV+ASV 併用療法およびASV+pegIFNα/RBV 併用療法の安全性を評価したものと推察されます。

また、「その他注目すべき有害事象」が重複しないように工夫しました。


そこで、以下のようにpre-editしました。

 

DCV+ASV 併用療法又はASV+pegIFNα/RBV 併用療法起因する有害影響pegIFNα/RBV 療法又は他の承認済みDAA 療法TVR関連いる有害事象発現及び重症比較した特に「その他注目すべき有害事象」、すなわち血液学的事象、消化管事象(複合語)、発疹(複合語)、精神障害、心臓障害、腎機能障害、呼吸器障害を基準に、DCV+ASV 併用療法又はASV+pegIFNα/RBV 併用療法に起因する有害な影響を評価した。

 

上記の和文をMTに英訳してもらいました。

 

Adverse effects attributable to DCV+ASV or ASV+pegIFNα/RBV combination therapy were compared with adverse events known to be associated with pegIFNα/RBV therapy or other approved DAA therapy (TVR) in terms of incidence and severity. Adverse effects attributable to DCV+ASV or ASV+pegIFNα/RBV combination therapy were evaluated with particular reference to "other adverse events of interest," i.e., hematologic events, gastrointestinal events (combined term), rash (combined term), psychiatric disorders, cardiac disorders, renal dysfunction and respiratory disorders.


だいぶ良くなりました。

 

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